買い物依存症は、厳密な定義や、医学的に「買い物依存症」という診断名があるわけではないのですが、一般的に買い物の衝動を自分でコントロールできなくなった人に対して使われる言葉のようです。
ストレス社会と呼ばれているように、現代人は多くのストレスを抱えています。
主婦であれば家族に対する不満、学生であれば勉強や将来の不安、社会人は会社関係の不安など、あらゆる場面で不満や不安を感じ、ストレスを常態化させてしまっている人が数多くいます。
そのストレス発散のはけ口として、衝動に任せた買い物というものが挙げられます。
今回は、買い物依存症の心理と原因について書いていきます。
目次
買い物依存症の原因
買い物依存症になってしまう人は、自尊感情が低い人であるといえます。
社会的、精神的に満たされない自分を、買い物によって満足させようとする心理が働いてしまっているわけです。
例えば、高級な物を店で購入しようとすると、店員はその人を大切な顧客として扱います。場合によってはVIP待遇みたいな感じで、普通の人とは一線を引いた待遇を受けることがあります。
普段、自分に劣等意識を感じている人でも、その場だけは店にとっての最重要顧客になります。
そのときに感じる優越感を味わうために、また無駄な買い物をしてしまうわけです。
買い物依存症は見栄を張る
高級品を買うと、それが社会的ステータスの証明になります。
・・・まあ、最近は高級腕時計を着けていても、ステータスにはあまりならないような気もするのですが。
それはさておき、例えば一般的にベンツに乗っている人は金持ち、ランボルギーニに乗っている人は大富豪みたいなイメージがあります。
高級品を身につけているだけで、優越感を得ることができるわけです。
買い物依存の人は、低い自尊感情を満たすために、高級品を身に纏い見栄を張りたがります。言うまでもありませんが、高級品を身につけただけでその人の価値は上がりません。
買い物依存症は高揚感を忘れられない
買い物依存症の主立った特徴は、見栄と優越感です。
この感情が満たされると、激しい高揚感を覚えます。これはギャンブル依存症にも似ています。
高揚感とは、興奮ホルモンドーパミンが分泌されている状態です。
ようするにメチャ気持ちいい状態です。その快感を忘れられず、また買い物をしてしまうというわけです。
これが行き過ぎると、借金をしてまで買い物をしてしまいます。そして、最終的に社会的信用を失います。
自尊感情を満たすために行っている行為が、最終的に身の破滅を招いてしまうわけです。
買い物で幸せになれるのか?
例えば、新製品のスマホを買ったときなど、とても嬉しくなると思います。しかし、その嬉しい気持ちは長続きしません。
ある研究では、品物を買ったときに得られる幸福感は、コンサートや旅行に行くという体験をしたときより長く続かないということが分かっています。
別の研究では、自分のためよりも他人のためにお金を使う方が幸福感が高まるということも分かっています。
幸福感を得るためには買い物するよりも、少しの額の募金をする方がいいのかもしれません。
いずれにせよ、買い物依存症になってしまっている人は、それを買ったことによって生じる自分の幸福感は一時のものと理解する必要があります。