交渉・告白の成功率は天気と気温に左右される【気分一致効果】

交渉・告白の成功率は天気と気温に左右される【気分一致効果】

「色とりどりの花畑と青空が織り成す富良野の風景」

晴れた日は株価が上がる。

昔から投資家のなかで言われている俗説です。この俗説は一見、験担ぎのようにも聞こえるのですが、実はある心理効果で説明できます。

それが、気分一致効果です。

今回は、気候によって変わる交渉・告白の成功率についての記事です。

目次

人の気分は気候で変わる

「恥ずかしがる女性アイドル」[モデル:河村友歌]

人間は感情で動く生き物です。どれだけ理性的な人でも、ときに感情に振り回されることがあります。

楽しいことがあったときは人にやさしくなり、イヤなことがあったときはイライラして人に当たってしまったりします。

気分は実際に起きた物事だけでなく、その場の天気・温度、つまり気候も関係してきます。

例えば、雨が降るとなんとなく気分が落ち込んだりしませんか?

反対に雲一つない晴れている日はワケもなく機嫌がよかったり。

天気に関する幸福度実験

「音声で改善点を指摘するコンサル」[モデル:藤沢篤]

心理学者のシュワルツとクロアーは、天気で考えが変わるかについて実験を行いました。実験内容は以下のとおりです。

電話で生活に対する満足度や幸福度を尋ねます。地域を変え、それぞれ一定数の回答をもらいます。

実験の結果、雨が降っている地域より、晴れている地域の人の方が幸福度が高いということが分かりました。

ただし、電話の冒頭などで質問者が天気について触れた場合は回答に差がなかったそうです。

このことから、人は雨が降っていると無意識にネガティブな気持ちになっていることが分かります。

いい気分だといいことを覚えている

「澄み渡る青空とN700系」

例えば、カップルで旅行に行ったとします。

旅行中にカップルは喧嘩をして、一日を気まずい関係のまま過ごします。

おそらく旅行から帰ったあと、カップルは旅行のイヤな思い出ばかりが記憶に残っているはずです。

反対に、喧嘩もせず二人で楽しめた場合は旅行中に多少イヤなことがあっても、楽しい思い出ばかりが記憶にすり込まれます。

このように、感情の状態と一致する情報に注意が向きやすくなることを、

気分一致効果

といいます。心理学者パウワーが行った実験では、ある物語を読んだとき楽しい気分だと物語の楽しい部分、悲しい気分だと物語の悲しい部分をよく覚えているという結果が出ています。

つまり、無意識にネガティブになっている雨のときは、マイナス感情に引っ張られることがある、というわけです。

不快な環境では評価が下がる

交渉・告白をするときは、晴れの日を選ぶといいでしょう。

先に天気の話題に触れておくと、回答に差がなかったという話をしましたが、それは自分の感情についてのみです。

心理学者グリフィットの行った実験では、快適な環境と不快な環境で、ある人物の調査票を読んでもらいました。

快適な環境 室温23.3度 湿度30パーセント

不快な環境 室温37.8度 湿度60パーセント

実験の結果、不快な環境で評価を行ったときの方が否定的な評価をされやすいことが分かりました。

告白・交渉は晴れの日を

「青い空と曇」

安直に晴れの日がいい、というと早計かもしれません。というのも、雨の日が好きな人も一定数はいるからです。

ただ、気候によって人の気分、人への評価が変動することは確かなようです。

交渉事は、さすがに天気で日時を選ぶわけにもいかないと思います。事前に交渉する場所が、快適な空間かどうかを確認しておくといいでしょう。

告白する場合は、日時を選ぶことが可能です。事前にそれとなく、その人に雨の日と晴れの日どちらが好きか聞いておくというのも一つの手だと思います。

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