目次
時間の流れについて
鬱病対策について書く前に、時間の流れについて触れておきたいと思います。
認知科学者の苫米地英人氏の考え方を紹介します。苫米地氏の考え方は基本的に、
時間は未来から過去に向かって流れていく
というものです。これはアビダルマ仏教哲学の考えから来ているもので、現代分析哲学でも、このような見方をされています。
時間は未来から過去に流れる
例えば、川を赤いボールが流れています。
その赤いボールを取らないで見送ると、青いボールが流れてきます。赤いボールを取ろうが取るまいが、青いボールは流れてきます。つまり、
過去の出来事は未来になんの影響も与えていない
ということになります。このことから、
時間は川の上流(未来)から、自分が立っている(現在)、そしてボールを見送った(過去)に流れている
という考え方を、苫米地氏は提唱しています。
未来から逆算して考える
「いい未来」から逆算して考えると、どんな今があっても、どんな過去があっても、その辛い出来事は「いい未来」を作るために必要な出来事であったという考え方ができます。
実生活に置き換えてると、こんなふうになります。
ああ、今日はツイてないな。目覚まし時計は壊れているし、スマホはトイレに落とすし、会社では怒られて、営業も散々だったな。気晴らしに遠回りして返るか。
お、新しい本屋ができてる。え! 今日サイン会なの!? しかも好きな作家さんだ! あと3人までサインOK? 買います!
いや~、今日はさんざんだと思ってたけどラッキーな日だなあ。あれもこれもこの喜びを得るためだったんだ!
以上、即興寸劇でした(笑)
この寸劇では、最悪だった出来事が、一変して喜びを感じるための伏線に変わっています。これに似たような経験したことある人、いるんじゃないでしょうか? よく思い出すとあるはずです。
ぱっと出てこないのは、人間はネガティブな感情の方が記憶に残りやすいからです。
鬱病の人はこんな人
鬱病の人、鬱な気持ちになりやすい人は、感情に振り回されやすい人です。過去のことにいつまでも執着して、意味のない問答を脳内で何度も繰り返してしまうのは、なぜなのでしょうか?。
ハッキリ言うと、ゴールがないからです。
「でもゴールってようするに夢のことでしょ? 夢なんてないよ」
そんな人は、まず自分に流れる時間の感覚を変えることから始めましょう。時間は過去から未来に流れていると考える自分から、時間は未来から過去に流れていると考える自分にします。
その先にゴールを見つける
この考え方は、僕が長年参考にしてきている考え方で、こう考えた方が不安を武器にできるなと思っている考え方です。鬱になりやすい人は、過去のことにこだわりすぎる傾向があります。
それは僕にも当て嵌まります。僕も不安感やストレスから睡眠障害を患ったことがありますが、その間はやはり過去のこと、起こってしまったことについて、クヨクヨ考えていました。
しかし、その経験が未来の役に立つと知ったときから、ネガティブを受け入れられるようになった気がします。僕自身、病気の経験があるからこの記事を書けているわけです。
「鬱病になったことがない人に鬱病の気持ちは分からない」
これは真実です。しかしだからといって、ネガティブな感情は拒絶してはいけません。拒絶すればするほど感情は肥大化して手に負えなくなります。
ネガティブ感情を未来の自分にとってプラスにするのか、過去と同様さらなるネガティブの肥やしにするのかは自分次第です。