世の中には天才と呼ばれる人々がいます。
多くの天才は内向的で、孤独な人が多いと言われています。
孤独だから天才になれるのか、天才だから孤独になったのは気になるところです。
今回は天才と孤独の関係性についての記事です。
目次
内向的な人は才能の塊
一般的に、外向的な誰とでも話せるアクティブな人は成功しやすいと思われていますが、実は逆です。
心理学の実験では内向的な人は、考える作業に向かいやすいと言われています。そのため、クリエイティブな作業に向いています。
画家や作家で自殺してしまう人が多いのは、考えすぎた結果といえるかもしれません。
芥川龍之介は遺書の中に、自殺の動機を「ぼんやりとした不安」と書いています。
純文学の作家は特に、人間の内面を描かなければならないので、その課程でどうにもならない精神の壁のようなものにぶつかったのかもしれません。
バイオリニストの練習内容についての実験
というより、実は内向的な人の方が才能は開花しやすいことが分かっています。
フロリダ州立大学のアンダース・エリクソンは、バイオリンのソリストの練習内容について調査しました。
まず、ABCの3グループに分けられます。
A・・・将来有望な世界レベルのバイオリニストになるであろう学生
B・・・優秀だが、世界レベルには届かない学生
C・・・プロにはなれず、バイオリン教師などになりそうな学生
優・良・普みたいな感じですね。
普通はAのグループが、一番練習時間を割いていると思われるでしょう。
しかし、調査するとABCグループのどの学生も、練習している時間は大して違いはなかったことが分かりました。
彼らに違いがあったのは、練習している内容でした。
将来有望なAグループの学生は、1週間に平均24.3時間、個人練習をしていました。
対して、あまり期待されてないようなCグループの学生は個人練習にあてた時間は9.3時間でした。
優秀とされているグループの学生はそうでない学生に比べ、個人練習をしている時間が倍以上も長かったわけです。
つまり一人の時間が長いということです。
孤独な人にこそ才能は与えられる
そこまで言うと言い過ぎですが、つまり、
才能を開花させるためには孤独に耐える必要がある。
ということになります。
「俺バンドやっってるぜっ! うぇえええい!」
って感じに集合写真を頻繁にツイッターで呟くような人は、成功しにくいってことでしょうか。
もちろん、その中でも才能を開花させる人もいるでしょう。
しかし、確率としてはライブが終わった後とかに、すぐに反省点を書き出して次回に活かす人の方が成功しやすいといえるでしょう。
ビジネスでも孤独は重要
芸術方面の人だけにしか、孤独が役立たないかというとそうでもないです。
心理学者のミハイ・チクセントミハイが行った研究で、ビジネス、政治、芸術、科学の分野で創造的な人物91人を対象に、その人たちの成功の原因がどこにあるか調べました。
彼らには、ある共通点がありました。
孤独な青春時代を送っている
孤独であるが故に、煩わしい友人関係をせず、ひたすら自己研鑽に励んだわけです。
ぼっち飯は将来有望
バカにされがちな「ぼっち飯」という行為ですが、上に挙げたことがその行動が価値あるものであることを裏付けています。
ぼっち飯はチャンスなり
一人の間に好きなことの才能を、どんどん伸ばして行けばいいわけです。
芸術だろうが、ビジネスだろうが孤独というのは、それだけで価値があるものだったんですね。
これは個人的な意見ですがぼっち飯をする時はトイレなどに逃げ込むようなことをせず、堂々と一人で食べた方のがオススメです。そうすることで一つ周囲に壁というか「俺はお前らとは違う!」的なちょっとした自信がつくと思います。
あ、でもくれぐれも拒絶するような壁は建てない方がいいです。あくまでもちょっとした自信なので、受け入れるところは受け入れましょう。
芥川賞作家も孤独だった
『共喰い』で芥川賞を受賞した田中慎弥さんも、高校卒業後は十数年に渡りプロとしてデビューするまで小説を読み、書き続けたといいます。
その間、アルバイトも含め、職に就くことはなく、一人で書き続けました。
今、孤独に苦しんでいたとしても、どこかの時点で開花する。
そう考えないとやってらんない、というのもあるのですが、やはりこれは確信でしょう。
一つ、田中慎弥さんの言葉で印象に残っているものがあります。これは以前、田中さんが『情熱大陸』に出ていたときに言っていた言葉です。
「苦しいのではなく、難しいことをしている」
苦しいことからは逃げ出したいけど、難しいのだったらどうにかこうにかできるかもしれません。