2019年3月7日に政府は、ギャンブル依存症対策に関する3年間の基本計画案を公表しました。
その対策の主なものはこんな感じです。
・ATMの撤去
・顔認証システムによる入場制限
現在、ほとんどのパチンコ屋の近くには消費者金融の小屋が建っていますが、これは撤去の範囲には含まれていないようです。
つまり、店内のATMを撤去したところで、少し離れた場所にあるキャッシングマシーンには行けてしまうわけです。
現在のパチンコ店は、依存者本人の同意や家族の申告があれば、入場を制限できるようになっています。警備員だけでそれを行うのは限界があるため、顔認証システムを導入するようです。
しかし、これもマスクをしていたりサングラスを掛けられていたら上手く反応するのか怪しいものです。
政府の努力は分かるのですが、やはり今回の施策だけでギャンブル依存症を克服するのは難しいでしょう。
ギャンブル依存症を克服するには、利用者の意識を変えていく必要があるわけです。今回は、負け続けているのにギャンブルがやめられない理由と、対策のご紹介です。
目次
ギャンブラーの誤謬(ごびゅう)を意識する
例えば、コインを投げて連続で表が出ます。
次に出るのは表でしょうか? 裏でしょうか?
冷静に考えれば、2分の1であるのは当然のことなのですが、ギャンブル依存症の人は、
「次は裏が来る!」
と考える人が多いです。元々、人間はこのように考えたくなる傾向が強いのですが、ギャンブル依存症になると、それが確信に近い気持ちになっています。
こういった誤った思い込みのことを、
ギャンブラーの誤謬(ごびゅう)
といいます。しかし、このような反対意見もあると思います。
「確率は収束するもんだろ!」
それは「何万回もコインを振ったら」の話です。数回サイコロを振ったぐらいで、どうにかなるようなものではありません。
コントロール幻想を意識する
ところが、ギャンブルの沼にハマると、
「次にその何万分の1が来るんだ!」
と思い込んでしまうのです。自分の意思と能力で統制できるという錯覚を、
コントロール幻想
といいます。ギャンブル依存症の人は、ツキが来たら自分の力のおかげと思い込み、逆に運が悪くなったら流れを自分で変えられると思い込みます。
麻雀の例
僕は麻雀をするのですが、確かに場の流れのようなものを感じるときがあります。勝てるときと勝てないときが、必ずあります。
麻雀の場合、単純計算で上がれる可能性は4分の1です。
ところが、実際は誰も上がれず場が流れたり、一人だけ何連続も上がるということがよくあります。
そのときに「次は来るはずだ」と攻めることだけしか考えて打っていると、大きな手に振り込んで一瞬で飛ばされることがあります。
麻雀の上手い人は、自分にいい手が来ないときに、耐えることができる人です。運だけでゴリ押しする人は、長期的に見ると勝てません。
パチンコや競馬も同じではないでしょうか。常に勝ち続けるなんてありえないので、いわゆるパチプロという職業の人も引き際を心得ている人なんだと思います。
自分で運はコントロール出来ない
これだけは意識に留めておくといいでしょう。
ストレス解消方法は他にもある
ギャンブルで勝つと、ドーパミンと呼ばれる興奮や快感を得られるホルモンが大量に分泌されます。
ストレスがギャンブルで解消できたという経験があると、大量のドーパミンが分泌されているので、また快感を味わおうとギャンブルに手を出してしまうわけです。
ギャンブル依存症の人は、一時の幸福感のためにのめり込んで行ってしまっています。
初めはストレスを解消してくれるものでも負け続けるうちに、苦しいけどどうしてもやめられないもの、になって行きます。
ギャンブル依存克服の第一歩は、ストレス解消方法を他に見つけることです。それがないと、病院に通おうが自制しようが必ずぶり返していきます。
まずは、ギャンブル以外の趣味を見つけることから始めるといいでしょう。