初心者は投資に手を出すべきではない。
昔からよく言われていることです。誰しも初心者の時期はあるので、厳密にはよく勉強していないのに投資に手を出すべきでないということだと思います。
仮想通貨バブルというのが少し前にありました。投資初心者の僕は、結果的に大損をしました。
といっても、100万円単位の損ではありません。数十万単位の損です。しかし、これはかなり来るものがありました。
今回は、僕が実際に損をしたときの心理状態と損をする前の心理状態、それに併せて僕に働いていたある心理効果についての記事です。
目次
バブルのときはバブルと気づかない?
僕は、バブルの空気を知りません。お札を振ってタクシーに乗ったこともありませんし、高級バーで飲み明かしたこともありません。
バブルが崩壊したときも、子供だったので実害としてなにかがあったというわけでもありません。バブルのときの日本の様子は、文献やドキュメンタリー番組から得た情報を元にした想像です。
当時の人は、バブルだバブルだと好景気に浮かれていたのは間違いないです。バブルはいつか終わると思いながらも、内心ではずっと続くだろうとも思っている状態だったでしょう。
言うまでもないですが、永遠に続く好景気はありません。
しかし、当事者になると冷静な判断が難しいようで景気後退とともに、破滅的人生を歩んでいくことになった人も多いと聞きます。
バイアスがかかっている
バブルのときにバブルと気づけないのには理由があります。バイアスが働いているからです。バブルのときは誰もが浮かれています。今日の景気がよければ、明日もいいと誰もが信じて疑いません。
心理学では、現時点の感情をベースにして未来予想を立てるバイアスを、
プロジェクションバイアス
といいます。いい状態のときには、否定的な未来予想は淘汰され肯定的な未来予想が残ります。多くの人々は、浮かれた心理状態と現状を冷静に区別できずに大損をしてしまったわけです。
仮想通貨バブルで同じことが起こった
僕自身の実体験です。
僕が仮想通貨に手を出したのは、世間がまだそこまで注目していないときでした。なんとなく、上がればいいなぐらいの気持ちで最初は数万円から始めました。
しばらく寝かせていると、通貨が値上がりしました。一度売り、少し下がったころにまた買い戻します。この時点での利益はプラスでした。
その半年後ぐらいに、仮想通貨の値段が急騰しました。数万円の元手が一気に30万円近くにまで膨れあがりました。このときの僕はテンションだだ上がりです。
このままの勢いが続きそうだと考えて、新たに元手を用意して運用します。この時点でもまだ高騰を続けていました。
しばらくして、一瞬値段が落ちました。
僕はこれを買いだと思い、手を出します。しかし、ここから転落していきます。一時的な下げだと思われていたものが、グラフの上下運動を繰り返しながら徐々に下方向に傾いていったのです。
長期的に見ればまだ大丈夫だと思い、放置しているとかなりの損失になっていました。
含み益だった30万円も、いつのまにかなくなって、気づいてみると数十万円の損失に。
完全に、プロジェクションバイアスが働いていました。そもそも投資など、それまでにFXを軽く触ったぐらいで未経験に近かったわけです。数字を見もせず、現在の利益だけで判断した結果大損をしたわけです。
ネット記事を見ているとボーナス全額突っ込んだという人もいるので、それと比べればまだ少ない損失なのですが、それでもかなり痛かったです。
調子のいいときが一番ヤバイ
これは投資や景気に限ったことではないと思います。
普段の生活でも、調子に乗っていらぬことをしてしまったり、反対に気分が乗らないからといっていい加減な行動を取ったりとプロジェクションバイアスの働く場面はいくらでもあります。
コロラド大学の研究チームは、プロジェクションバイアスが働く状況に陥ったとき、
選択するときの状況と、それによって起きる未来の状況をできるだけ近づけるといい
と言っています。調子がいいときに、さらに調子がいい場面を想像するよりも、今よりも少し調子が悪い場面を想像しながら動く、みたいなことです。
あまりにも飛躍して考えると、プロジェクションバイアスの罠にハマってしまうので注意しましょう。