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怒りは頭の回転が最も速くなる
怒りというと、ネガティブなイメージを感じる人も多いと思いますが、実は、
人は怒っているときに最も頭の回転が速くなる
ということが分かっています。目の前の敵を、どうにかして倒してやりたいと必死で脳が働いているからです。
しかし、そのエネルギーをそのまま相手への復讐に使うのは不毛です。
相手を仮に打ち負かしたとしても、相手も怒り、こちらに復讐しようとしてくるからです。お気づきと思いますが、この後はお互いを打ち負かすためだけの無意味な争いが繰り返されます。
せっかく脳はフル回転しているのに、もったいない。
もっと有効活用できたらいいのですが、つい言い合いをしてしまいます。ですので、怒りを上手くコントロールする必要があります。
感情はすべて予想外から来ている
まず、怒りがどのような感情の流れから起こっているのか、知っていきましょう。
喜怒哀楽といった人間の感情について、これらはすべて、予想外によって発動します。
これは、認知科学者の苫米地英人氏が提唱されている理論です。
予想外の出来事が自分にとって好ましいものであれば、喜びになり、好ましくなければ怒りや哀しみになります。すべての感情は予想外の出来事によってのみ、喚起されます。
怒りは生理的現象
つまり、怒り自体は生理的現象と言えます。
例えば喜びや哀しみ楽しさと言った感情は、自然と心の中で湧き上がります。
怒りもそれらと同様に発生します。それらの感情が止められないのと同じで、怒りも止めることはできません。
怒ったときの反応
ある実験で、「怒ったときどんな反応をするか」についてアンケートを行ったところ、
第1位「黙る」
第2位「声が大きくなる」
第3位「周囲の物に当たる」
第4位「その場を立ち去る」
第5位「泣く」
という結果が出ました。
ちなみに、1位の「黙る」は全体の45パーセントでした。
半数近くの人が黙る、つまり、怒りを我慢していたわけです。
怒りはエネルギーになるので、黙るのもよくありません。メリットを理解した上で怒りをコントロールして、黙るのならいいのですが、恐らく上司に怒られたり、お客さんからのクレームだったりやむにやまない事情があったのでしょう。
怒っていいとき
年中何かに腹を立てている人が、頭がものすごい回転しているかというと、そうでもありません。
怒りは頭の回転を上げるのですが、同時に判断能力を低下させます
ですので、怒っていいときを見定める必要があります。怒っていいときの条件は、2つあります。
・相手に過失があり、その過失によって自分に不利益が生じたとき
・その過失が予想外だったとき
怒っていいのは予想外のときだけ
簡単にいうと、怒っていいときというのは、その怒りの対象が「予想外」だったときだけです。
例えば仕事でミスばかりする部下がいるとします。その部下がミスをしたときに怒るのは、正しくない怒り方です。
今回もミスをするかもしれない、と予想がついていたわけなので「予想外」ではありません
この場合は怒るのではなく、アドバイスをしてあげることが正しい対応になります。
怒りをどうするか
自分で怒りをコントロールする場合は、運動をするといいです。
その場でジャンプしたり、バーピーをしたり、腕を振り回したり、なんでもいいのでとにかく身体を動かす、と怒りの感情は自然と消えています
ちなみに、
「怒りは自分の頭の回転を上げている。今、一番乗っている!」
と思うことで、怒りのエネルギーを別の方向へ、コントロールできることも分かっています。
運動で発散するか、怒りのエネルギーを目の前の作業に向けるか、どちらかを選択することで上手くコントロールできるようになります。
ただし、怒っていいタイミングもありますので、その見極めが重要です。