依存症は大きく分けると3つある。ちょっとした対策もご紹介【依存の心理学】

依存症は大きく分けると3つある。ちょっとした対策もご紹介【依存の心理学】

目次

なぜギャンブル中毒になるのか

「萬札と散らばる点棒」

現在では、ギャンブル依存症は病気として認知されています。

借金をしてまでパチンコに行ったり、犯罪を犯してまで手に入れたお金で競馬をやったり、それだけギャンブルには依存性があり、中毒性があります。

では、ここまで依存してしまうのは、なぜなのでしょうか? それは報酬があるからです。

心理学の言葉で、労働などで行った作業の対価として、必ずもらえる報酬のことを、全強化といいます。反対に、行動に対してランダムに与えられる報酬のことを、部分強化といいます。

人間がより強く惹かれるのは「部分強化」であることが分かっています。

部分強化とドーパミン

つまり人間は「常にある報酬」よりも、「たまにしかない報酬のほうがドキドキ感を感じ、より強い快感を覚えるわけです。

例えギャンブルのトータル収支で負けていても、たまに大きな勝ちがある(部分強化)と報酬を与えられたと勘違いし、快感を覚え、またその快楽を得るためにギャンブルに勤しむというわけです。

よく聞く、ドーパミンという物質もギャンブルで勝ったときに放出されます。ドーパミンは心地よい気持ちを感じさせる物質なので、快楽の正体とはドーパミンであるといえます。

依存は3つに分類される

「悩み、頭をかきむしる男性」[モデル:大川竜弥]

○○依存症などという言葉は、よく耳にします。依存しやすい人は、ストレスから逃げたい願望や心の隙間を埋めたい願望があります。

その願望の達成方法は人それぞれですが、依存症の人は常に満たされない気持ちを抱えているわけです。しかし、逃げる道は人によって様々です。依存は大きく分けると3つに分類されます。

・物質依存

・行為依存

・人間関係依存

物質依存

アルコールやタバコのことをいいます。

物質依存の特徴として、体内から抜けると禁断症状が現れます。アルコールは度を超さなければ、よいと言われています。

しかしタバコは、現代の人が多くしている肺喫煙では強い依存性があるので、禁断症状はすぐに現れます。

行為依存

プロセス依存ともいいます。ギャンブル依存症が最たる例です。

その行為を行うことに依存している状態です。ギャンブル依存のほかにも、買い物依存やスマホ依存、ネット依存などもあります。

人間関係依存

例えばDVする夫から離れられない妻です。夫からの暴力を受けても、

「この人には私がついてないとダメなんだ」

と離れようとしないことが多い状態です。これは、夫も妻もどちらも依存している状態なので、共依存と呼ばれています。

依存を認めないと重症化する

「「そうだ!」思いついた表情の男性(半袖)」[モデル:大川竜弥]

ほんとうにちょっとしたことなのですが、知っていると役に立ちそうな依存対策を紹介します。依存症になりやすい人の特徴として、

「自分は依存している」

ということを認めないということがあります。これを否認といいます。否認をしている人は症状が重症化しやすいそうです。

田代まさしさんに学ぶ依存対策

「可愛い子猫」

田代まさしさんをご存じでしょうか。僕のなかではバカ殿のイメージが強いのですが、今の十代の人なんかは知らないかもしれません。田代さんはこれまで、薬物依存で4回逮捕されています。

現在は、薬物依存更生団体のDARCのスタッフとして活動しているそうです。その田代さんが言っていた言葉でこういうものがあります。

「やめ続ける自信はないですが、今日一日やめる努力を怠らない」

お気づきでしょうか? 否認をしていないんです。依存していることを認めたうえで、一日精一杯がんばると言っているわけです。

現在、依存していることがあって、やめたいと思うのなら、「今日一日はやめる努力を怠らない」を積み重ねていくことが重要です。

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