近年、夏の羽虫のようにわらわらと湧いているバカッター、彼らはなぜ表れ、彼らはどこに向かおうとしているのでしょう?
バカッターとは、ツイッターの一部利用者を指して使われるネットスラングです。彼らは、自分が日常でした悪さや、おふざけを動画撮影し、ツイッターでつぶやきます。
そのツイートを見た別のツイッター利用者が拡散し、広まり、炎上と呼ばれるバカッター投稿者への批判が始まります。
今回は、心理学的に見たバカッターをやってしまう人の心理をご紹介します。
目次
そもそもバカは昔からいる
まず、前提としてツイッターやインスタグラムの登場する前から、一定数のバカはいました。
ウィキペディアで紹介されている一番最古のバカッターは、2013年5月です。
國學院大學の学生が、個人情報を公表したアカウントで自身の肛門に公園の水道の蛇口を差し込んだ様子を投稿しました。
ネットユーザーにより、本名や大学を特定され、学校から厳正な処分を受けたとされています。
行動は、バカ以外のなにものでもないです。書いていて、とても不快な気分になる事例です。では、このようなバカは、2013年に彗星の如く表れたのでしょうか?
そんなはずはありません。
線路に侵入する人や、電車に鉄拳を食らわす人、万引き自慢をする人は昔からいました。
時にはニュースに取り上げられることもありました。これと同じように、バイト先でちょっとした悪さをする人間も、いたはずです。
つまり、彼らが表れたのは、ネット環境が普及したからであるといえます。
説明が遅れましたが、バカッターとともに、インスタグラムで愚かな投稿をするバカをバカスタグラムといいます。「バカ目バカスタグラム科」みたいなものと理解していいと思います。
なぜ、ツイッターに投稿してしまうのか?
さて、彼らがツイッターやインスタグラムに、犯罪行為を告白する投稿をしてしまうのはなぜなのでしょうか?
理由はいくつかあります。ざっくり言ってしまうと「バカ」だから、なのですが、それではこの記事が終わってしまいます(笑)
ここでは心理学的に見た意見と、社会学的に見た意見をご紹介します。
独自性欲求が強い
これは、不良少年が万引きを自慢したり、バイクや自動車で暴走行為をするときに表れる欲求です。
人間は、周囲の人と同じ行動を取りたいという同調傾向が強い反面、他人と異なる行動を取りたいとも思っています。これを、独自性欲求といいます。
他者との違いを強調して、特別な自分であることで自尊感情は高められます。
お気づきと思いますが、自尊感情を高めるのに、わざわざ犯罪をバカッター、バカスタグラムという形で告白する必要はありません。では、なぜ、彼らはやってしまうのでしょうか?
自尊感情を高めるのに一番ラクなのが、犯罪だからです。
周囲からの注目を浴びたいけど、普通に生活しているだけじゃ独自性欲求は満たされない、だから手軽にできるちょっとした犯罪に走ります。
ネットリテラシーが低い
大きな音の出るバイクに乗ったり、丈が縮んだ制服を着たりと、インターネットの普及する前から、不良少年は存在していました。
バカッターと呼ばれる人種の人々は、不良少年に見えない人も多いです。おそらく、彼らは不良少年ではないのでしょう。
バカッターの多くは、ネットリテラシーの低い人間の集まりなのではないでしょうか?
僕自身は、インターネットに小学生のころから親しんでいるので、犯罪告白の動画をネットに投稿すると、どのような結末になるのか容易に想像がつきます。
しかし、彼らの多くはネット経験が浅いまま、いきなりスマホを持ってしまった人が大半なのではないでしょうか?
自分の取った行動が、どのような結末になるか想像できないから起きると考えられます。ネット経験の、未熟さが問題なのかもしれません。
バカッターをしないためには?
悪さ自慢をしたい人や、自分の行動がどこで炎上に繋がるか想像できない人には、バカッターを防ぐ手立てはSNSをやめるということぐらいしかないでしょう。
投稿する前によく考えろ、と言われても、そもそも投稿する時点では自分の行動を愚かだと考えていないので、無駄というものです。
しばらくは、ネットを見るだけに留めて、自分からの発信をやめるというのがちょうどいいかもしれません。
ここまで社会問題化しているのであれば、法整備が必要になってきているのかもしれませんね。ネット時代は便利とリスクが表裏一体です。