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心に予防接種を
インフルエンザになりたくないから、予防接種を受けたことがある人は多いと思います。予防接種を受けると、インフルエンザになりにくくなり、なったときも症状が弱くなるというメリットがあります。
なぜ、予防接種で病気になりにくくなるのかというと、あらかじめ弱めウイルスを体に入れることによって、抗体ができ、免疫力が上がるからです。
体は予防接種によって病気のリスクから保護することができるのですが、心はどうでしょうか。
実は心にも免疫力があり、免疫力を上げると、心が折れにくくなることが分かっています。
接種理論
アメリカの心理学者ウィリアム・マクガイアは、接種理論という理論を提唱しました。接種理論は、
一度弱めの反論を自分のなかに自ら投げかけ、その反論に打ち勝つことによって、強い反論が来たときに負けにくくなる
というものです。
自分の意見が確固たるものになる
なぜ、接種理論で反論に負けにくくなるのかというと、自分の意見に対してより信じ込むようになるからです。
どんなに正しいと思っている答えでも、どこかに穴はあります。その穴をあらかじめ、ささいなことでもいいので潰しておくことによって、
「どんな反論がきても大丈夫だ」
と心が信じ込むようになります。
これが心の免疫力を上げるということです。
試験に対する不安
例えば、万全の準備をしてきた試験に対して前日に、ものすごい不安な気持ちになったとします。そこで、
「こんな問題が出てきたらどうしよう」
と思うことによって、変化球な問題への抗体が付きます。
ちょっと変わった問題を、自分で作って解くと効果的です。
対人関係に関する不安
「この意見を言うと、結構キツイ反論がきそうだな」
と思っていたとします。
その反論と同じような反論を、自分で見つけ出し、それに対する反論を自分で考えます。
そうすることで、自分の理論が自分にとって自明の理となり、キツイ反論に流されることがなくなります。
予測しておくだけでメンタルを落ち着かせる
認知科学者の苫米地英人氏の説によれば、
「人間の感情は予想外のときにのみ生じる」
そうです。
喜怒哀楽、喜び、怒り、哀しみ、楽しさは予想外のときにのみ生じます。
なので、メンタルが弱い、心がすぐに折れるという人は、哀しみなどのネガティブ感情が生じそうな場面を、あらかじめ予測しておくといいです。そのとき、
「こうなったら、どうしよう・・・」
と考えるのではなく、
「こうなったら、こういう風に動こう」
のようにその後の動きも想定しておくと、メンタル崩壊への予防につながります。
最後に
心が折れたり、メンタルがボロボロになるのは多かれ少なかれ、起こりえるものです。
メンタルが強い人というのは、無意識に自分なりのメンタル回復方法を持っている人が多いんじゃないかと思います。
接種理論はそのなかの一つです。
あらかじめ少し悪い反論を用意して、打ち勝つ
これだけ覚えておいてください。