目次
認知的ケチとは?
食事選びの際、ついつい、行列に並んでしまうことありませんか?
この心理状態、実は心理学的に説明できるんです。心理学の用語で、
認知的ケチ
というものがあります。認知的倹約家とも呼ばれ、
人間は興味のないものや、情報や知識を十分に持っていないことに対して、少ない労力で判断しようとする
心理効果です。ようするに、考える手間を省こうとしているわけです。
行列に並んでしまうのは認知的ケチだから
食事選びのとき、行列が出来ていると人は、
「多くの人が並んでいるということは、おいしいお店だ」
と考えます。言うまでもありませんが、「行列が出来ている=おいしいお店」という方程式は間違っています。
行列が出来ていなくとも、おいしいお店はたくさんありますし、行列ができていても、インスタント麺でも食べた方がマシ、と思うような料理を出すお店もあります。
認知的不調和が働いて美味いと思い込む
『美味しんぼ』というグルメ漫画をご存じでしょうか? アマゾンプライムで13話を観てみて下さい。話のなかで、山岡士郎の言う台詞でこんなものがあります。
「誰かが本か何かで褒めると、どっと詰めかける。一度有名になると自分の舌で判断することもせず、有名店だというだけでありがたがる」
これは日本人の国民性も表した発言なのですが、実は心理学的に説明がつきます。それは認知的不調和です。
人間は、自分の心のなかで思っていることと、実際の行動が伴わないと、どちらかに感情を寄せてしまう性質を持っています。
例え、食べた料理がさほどおいしくなかったとしても、長時間並んだという自分の行動と不調和を起こしてしまうので、整合性を取るために、その料理をおいしいと思い込んでしまうわけです。
同調行動と認知的ケチ
「みんな○○だから、○○にしよう」
というのが同調行動です。みんなが行列に並んでいたら行列に並んだり、みんながイエスと言ったらイエスと言ったり・・・。
認知的ケチは、同調行動でもあります。身近なところに、同調行動は溢れています。認知的ケチな状態はある意味で、思考停止している状態でもあります。人間、食に関してはこのような行動を取りがちな気がします。
食べログを信用しすぎる
食べログで食べるお店を決めたり、○○部門1位みたいな看板を目にするとつい入ってしまったり、心当たりがあるのではないでしょうか。
こういう行動は、悪いわけではないです。ただ、有名だからといって、条件反射的に飛び付くと、それよりおいしいお店で食べる機会を失う可能性があることも考慮したいですね。
と言っておいて、以前、北海道に旅行に行ったとき、旭川で「山頭火」でラーメンを食べた自分がいます。理由は、コンビニのカップ麺でみたことがあったから(笑)
思考停止には注意ですね><