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ウルトラディアンリズムとは?
体内時計には「90分、20分」のリズムがあります。これは寝ているときの、90分の深い眠りと20分の浅い眠りを繰り返すリズムと同じです。
このリズムのことを、ウルトラディアンリズムといいます。精神生理学者のペレツ・ラヴィー博士は、こう言っています。
「ウルトラディアンリズムで作業と休息を繰り返すことが、自然と集中を高め、集中力を持続させる」
プロフェッショナルの練習時間
ラヴィー博士の研究の中に、バイオリニストの練習時間について調べたものがあります。一般的に楽器でプロフェッショナルになろうとすると、寝る間も惜しむ苦しい練習が必要だと考えるでしょう。
しかし、トップクラスのバイオリニストを対象とした博士の実験では、
ウルトラディアンリズムに逆らわずにトレーニングしている人ほど、高い成果を上げている
ことが分かったのです。トップクラスのバイオリニストは90分単位で練習を行って、長くても合計4時間半以内で練習を終えていました。
くわえて、午後には20分の昼寝も習慣にしていたようです。20分の昼寝は、以前紹介したパワーナップのことです。トップの人はやはりウィルパワーの節約方法を知っているという、いい例だと思います。
マルチタスクにならないこと
このテクニックは、90分20分の感覚で作業を行います。注意しなければならないのは、マルチタスクにならないことです。
仕事中に来たメールを返したり、スマホで読書しているときに来たLINEをついつい見てしまったりすると、意識があっちこっちに飛んでいきます。
有限な集中力を分散させてはいい結果は出せません。解決すべき対象を絞り込んで、一つずつクリアしていくから意味があります。
制限時間を設けることが重要
歴史学者シリル・ノースコート・パーキンソンは、
「仕事は完了するために割り当てられた時間に応じて複雑なものへと膨れあがっていく」
と指摘しています。人間は時間が十分にあると思うと、やらなくてもいい仕事を無駄に丁寧にこなしてしまいます。パーキンソンは時間を短時間で区切ることで、こうした問題は解決すると言っています。
期限が決まっていると、その期限までに最低限やらなければいけない作業を見つけ出し、処理にかかる時間を節約することができます。これを締め切り効果といいます。
必ずしも90分が正解とは限らない
一日の予定表を作るとき、90分単位で作るといいでしょう。やはり注意したいのは、その90分の間に複数の作業をしないことです。
しかし、人によって集中できる時間はまちまちです。集中できるリズムや時間帯も違うと思います。
ですので、勉強や練習の時間管理で悩んでいる方は、まずは「ポモドーロ・テクニック」で集中する時間と休憩のリズムを把握していくところから初めて行くといいと思います。