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単語帳の答え合わせ、どうやってる?
単語帳を使うとき、答え合わせの方法はどうしてますか?
一問解いて答えを確認して、一問解いて答えを確認してというやり方で単語を学習する人が一般的だと思います。
実はこのやり方よりも、記憶に残りやすいやり方があるようです。
多肢選択式テストとは?
例えばこんな問題があります。
太宰治の書いた『待つ』は、【 】が駅で待つ様子を描いた作品である。
A:少女 B:学生 C:男子 D:村長
答えは自分で見つけていただくとして、このような、複数の選択肢の中から正解を選ぶタイプのテストのことを
多肢選択式テスト
と言います。こういう問題を解いたことがあっても、意外に名前を知らなかったりしますよね。
アメリカで行われた実験
多肢選択式テストの答え合わせは、どうしていますか?
日本史で、このような解答様式のテストは多く見られます。一問ずつ解くか、全問解いてから答え合わせをするか、どちらがいいのでしょうか。
アメリカで行われた実験で、結果が出ています。まず、学生72人に歴史に関する勉強をしてもらいます。その後参加者は4つのグループに分けられます。
1・・・なにも復習しない
2・・・多肢選択式テストによる復習をするが、答え合わせなし
3・・・多肢選択式テストを1問解くたびに答え合わせ
4・・・多肢選択式テストを全問解いて答え合わせ
その後、最終テストを行います。
最終テストの結果
当然ですが、なにもしないグループ1のテストの結果が一番低く、答え合わせをしなかったグループ2が次いでテストの成績が低いという結果が出ました。掛かった時間もグループ1が一番短く、グループ2がその次に短いという結果が出ています。
注目すべきは、グループ3とグループ4です。
2つのグループは掛かった復習に掛かった時間は同じでした。最終テストの結果、どちらの点数が高かったのかというと、
全問解いてから、答え合わせをしたグループ4が一番成績がよかった
ということが分かりました。ちなみに、似たような実験を小学生でも実施していて、やはりここでも遅れて答え合わせをしたグループの方が、すぐに答え合わせをするグループよりも得点が高かったようです。
答え合わせは時間差を付ける
この実験から、
答え合わせをするときは、問題を解いてからすぐに答え合わせをするのでなく、ある程度時間をおいてからした方が記憶に残りやすい
ということが分かります。
その理由は、分散学習の効果が出ているからです。分散学習は、復習を時間を空けて勉強することです。対して、集中学習は一気に頭に詰め込む学習法です。
長期記憶に残りやすいのは分散学習であるというのは、以前の記事で紹介しました
また、テストを受けるだけで点数が上がることをテスト効果といいます。
テストと解答の間隔を空けるという行為は、分散学習と、テスト効果の両方の効果が得られる学習法と言えます。
単語帳も時間差理論で
冒頭の話題に戻ります。
単語帳を学習する時、一番記憶に残りやすいのは、どの学習法か?
単語を40問解いてから答え合わせをする
この方法が、一番学習効果が得られる方法のようです。40という数字は、上記の実験で解かれた問題数が42問だったからです。
テストと解答の間隔を空ければいいので、この数字はあまり重要ではありません。もし、暗記したいことがあって時間がないのであれば、
朝30問ぐらい問題を解いて、帰ってきてから答え合わせをする
という方法が記憶に残りやすいといえます。
初めは集中学習
しかし、よく知りもしない問題を朝から30分解くのは至難の業です。ちなみに、記憶に残りやすい分散学習の効果が発揮されるのは、問題を一度理解してからです。
ですので、単語帳でテスト効果を得たい場合の正しい使い方はこうです。
・1~2周目は一問一答、あるいは流し読みする
・2~3周目から全問解いてから答え合わせのスタイルにする
アウトプットすると記憶に残りやすくなるため答えは、出来れば紙に書いた方がいいです。
しかし、電車の中など、紙に書けないときは自分で解いた答えを記憶していくというやり方でも大丈夫です。解答した内容は、完璧に覚える必要はありません。どのような解答をしたか、思い出すだけで記憶に定着しやすくなります。