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ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックとは?
今回は、ちょっと頼みにくいようなお願いでも簡単にイエスを得られる、効果的な心理術をご紹介します。その名も、
ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック(譲歩的要請法)
名前だけでは、ピンと来ませんね。やり方を説明します。
1、ハードルの高いお願いをする
2、相手が断った場合、すぐにもう少し簡単なお願いをする
たった2ステップです。この方法を使うと、OKをもらえる可能性が高くなります。
会社で使う例
使用例を紹介します。会社で、
「今日中にこの資料仕上げておいて」
と上司に言われます。その資料作成は、とてもじゃないけど定時で終わるような量じゃない。今日中はちょっと厳しい、そう思っているところに上司がすかさず、あなたの顔色を見てこう言います。
「じゃあ明日の夕方までに頼むよ」
あなたは「分かりました」と仕事を引き受けてしまうわけです。
チャルディーニの実験
みなさんがこのテクニックを使うときに重要なのは、ちょっと無理なお願いを最初にすることです。譲歩が引き出せた、と相手は思うからです。
心理学者のチャルディーニの実験では、ある大学生グループに、非行少年を動物園に連れて行くのに2時間ほどボランティアをお願いしました。
それにOKが返ってきたのはたった17パーセントでした。次にチャルディーニは別のグループに、
「毎週2時間、2年間に渡って非行少年のカウンセリングをしてくれないか」
と頼みました。しかし、よく知りもしない非行少年に、毎週2時間2年間はさすがに、誰もOKとは言いません。そこですかさず言います。
「じゃあ2時間でいいから、非行少年を動物園に連れて行くボランティアはお願いできないかな」
実験の結果頼み方を変えて、まったく同じ質問をしていただけなのに、承諾率が17パーセントから50パーセントまで跳ね上がりました。
ちょっと無理めなものがいい
このドア・イン・ザ・フェイス・テクニックを使うときのコツとして、最初に掲示するお願いは絶対に不可能なものでなく、ちょっとだけ無理そうなお願いをすることが重要です。
重要なのは、相手に譲歩を引き出せたという感覚を与えることです
絶対に無理だと自分で分かっているお願いをしても、「まあそうだよな」と自分で思ってしまい、顔に出てしまいます。嘘が見破られるわけです。だから、ギリギリこのぐらいのお願いならと思うところでお願いします。
ちょうどいい案配で条件を掲示出来た場合、むしろ残念がっているあなたの顔を見て、「じゃあここまでならやるよ」と譲歩案を向こうから出してくれるかもしれません。
どちらにせよ仕事の負担が減って、あなたは助かるわけです。
デートへの応用
最後になりますが、デートに誘う場合の応用例を紹介します。
とは言え、ここまで読んで下さった方なら予想はついているかもしれません。それでも念のため付き合って下さい。
「明日予定空いてる?」
「ごめん・・・、明日は・・・」
「じゃあ今月空いてる日ある?」
人間は長期的な計画は甘めに考えてしまうので、OKをもらいやすくなります。