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文明病とは
文明病とは近代社会の変化によって引き起こされる、現代特有の病や症状のことです。
文明病の、典型的な例として上げられるのが「肥満」です。
アメリカ疾病管理予防センターによると、1950年代の肥満率は10パーセント以下だったのが、2010年代には35パーセントにまでなっています。
肥満が急増した理由は、社会が豊かになったことにより、食料の大量生産、価格低下、高カロリーなものを手軽に食べられるようになったからです。
進化医学とは?
進化医学とはダーウィンの進化論と最新医学のデータを組み合わせたものです。
最新の研究では人類の基礎が作られたのは680~700万年前。この時代に現代人と類人猿の中間的存在のヒト亜科が生まれました。人類は少しずつ進化を続けて、1~2万年前に石器時代から農耕生活に移行します。
600万年に渡る狩猟採集生活に対して、農耕生活1~2万年はあまりに少ないです
つまり、本来の人類は、狩猟採集生活をするときにこそ、最大限のパフォーマンスを発揮するように進化してきたわけです。
古代では「肥満」はいなかった
古代の環境のなかにはもちろん、今と同じような流通システムや食品製造の技術はありません。カロリーは貴重な資源でした。
人類は、本能的に高カロリーを好むように脳を作り替えていきます
ところが現代では、古代に手に入らなかった高カロリーな食料がどこへ行っても手軽に、安価に買えてしまいます。これこそが肥満という現象が現れた要因です。
進化と現代のミスマッチが、進化医学の考えの元になっています。
鬱病も文明病の一種?
鬱病が、世界中で増え続けているのはご存じの通りです。日本でも、10人に1人が鬱病とまでいわれています。
鬱病は人生を破滅させる病です
活力がなく、夜は眠れない、感情も気迫になり、すべてのことに意味が見いだせなくなります。軽度の鬱病であっても、理由もなく気分が沈んだ続くなど、見過ごせない事態が続いていると思います。
人間の生活環境は日に日に向上しています。食料不足で頭を抱えることもなく、安全な寝床を探すこともない。にもかかわらず、鬱病、不安に悩む人が増えています。
カルリ族の鬱病はゼロ
1976年、人類学者のエドワード・シエフェリン博士の研究によれば、パプワニューギニアで暮らす2000人のカルリ族に調査を行ったところ、鬱病に悩む人はほぼゼロであったそうです。
カルリ族は野生動物の狩りと、植物採集だけで生活する部族です。ライフスタイルは旧石器時代と同じと考えられています。
カルリ族の鬱病発症率は先進国の100分の1。自殺者は一人もいなく、「絶望」という言葉すらカルリ族の言語になかったそうです。
不安を取り除きたかったら田舎に住むのがいい?
近年の研究でも、都市部に住む人ほど鬱病にかかりやすくなる傾向があるといわれています。都市部に住んでいる人は、田舎に住む人と比べて2倍も心を病む傾向かあったようです。
鬱病の原因は未だ解明されていませんが、進化の課程でおきた矛盾が、大きく影響しているのは間違いないでしょう。田舎移住、なんて気軽には行えませんが取りあえず、以前ご紹介した、
から初めてみるといいでしょう。狩猟民族たちは高原や森を走り回っていたはずです。