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心的傾向の分類
ウェルズリー大学の心理学者ジェリー・K・レムは、人間の心的傾向を2つに分類しています。以下の2つです。
・戦略的オプティミスト
・防衛的ペシミスト
戦略的オプティミスト
戦略的オプティミストは簡単に言うと、根拠がなくても、「次は絶対できる!」と思える人のことを言います。
ようするに、ポジティブ思考の人のことです。
防衛的ペシミスト
防衛的ペシミストは、戦略的オプティミストとは逆の考え方の人のことをいいます。
どれだけ成功していても、「次は失敗する」と考えてしまう人のことをいいます。
ようするに、ネガティブ思考の人のことです。
日本人の98パーセントの人が、防衛的ペシミストに当てはまるといわれています。
セロトニンが多いと前向きになる
セロトニンという名前は、聞いたことがある人が多いと思います。
セロトニンは脳内にある神経伝達物質で、これが十分にあると安心感や、やる気に繋がります。
セロトニンの量を調整しているのが、セロトニントランスポーターと呼ばれるもので、この数が多いと気持ちが安定して、少ないと不安になりやすいと言われています。
世界で一番ネガティブになりやすい国
セロトニントランスポーターが多い人はポジティブな人で、逆に少ない人はネガティブであるということになります。
・セロトニントランスポーターが多い人をL型
・セロトニントランスポーターが少ない人S型
上記のように分類し、アメリカでは人口のL型が57パーセント、S型が43パーセントという結果が出ています。
対して、日本ではL型が19パーセントで、S型が81パーセントでした。
これは遺伝的に決まっているもので、S型が8割を越える国は日本だけだそうです。
世界で一番ネガティブになりやすい国、それが日本ということですね。
ネガティブ=悪ではない
不安になりやすい遺伝子を持っているからと言って、必ずしも悪い方向に働くわけではありません。
日本人の国民性、性質を考えてみるとこれがプラスに働いている場面があることが分かると思います。
日本人は物作りおいて、世界的に見て高水準の仕事をしています。これは日本人の勤勉性や、まめな部分。要するに失敗がないか細部まで確認する、職人気質が影響していると言えます。
不安になりやすいということは、事前に失敗する可能性のある箇所を予想できるということです。
ですので、防衛的ペシミストの人は事前の準備に時間を掛けると、物事がスムーズに運ぶようになります。
ポジティブ思考は日本人では少数派
ポジティブ思考の戦略的オプティミストは、日本人のなかでは極めて少数派であるといえます。ですので、この記事を読んでいる皆さんは、防衛的ペシミストの可能性が高いです。
しかし、少数派とはいえ戦略的オプティミストは存在しています。自分がどちらのタイプか見極める必要があります。
・戦略的オプティミストは、失敗して失敗して、失敗しまくって真価を発揮します。
・防衛的ペシミストは、準備に時間を掛けてこそ真価を発揮します。
猪突猛進で突っ走って成功できる人と、できない人の違いは遺伝的な違いでもあったわけです。