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映画で見られる一目惚れ
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー3』でマーティーがこんな台詞を言います。
「恋は科学じゃない、雷に打たれるのと同じだよ。ジェニファーと最初に会った時もそうだった」
世界的に有名なので、この映画を知らない人はあまりいないと思います。
このシーンの数分後に、ドクは渓谷に落ちそうになっている馬車を助け、クララと恋に落ちます。
さて、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズはタイムスリップものの映画です。『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』では未来のマーティーが登場しています。
ジェニファーと一目惚れで付き合っているマーティーは、30年後の世界でも結婚しているのでしょうか?
付き合っているんですね。それも非常に仲がいい。・・・まあ、これは映画の世界の話なので現実には適用されないかもしれません。
と思いきや、現実でも一目惚れだと離婚しにくいという説もあるんです。
一目惚れの離婚率
アメリカで実施された調査で、一目惚れした相手と結婚した夫婦の離婚率を調べたところ、
一目惚れで結婚した夫婦の方が、離婚率がはるかに低いことが分かりました
アメリカの離婚率は50パーセントほどです。2人に一人がバツ持ちの世界です。そんななか、一目惚れから結婚した夫婦の離婚率は、24パーセントだったんです。
確率的には、だいぶ下がっていると思いませんか?
この実験はアメリカで行われたもので、もちろん、アメリカと日本では文化の違いもあるので、完全に適用されるわけではないと思いますが、この結果はかなり面白いと思います。
なぜ、一目惚れが起きるのか
そもそも、一目惚れとはどういうメカニズムで起こるものなのでしょうか。理由は完全には解明されいないようなので、いくつかの仮説を紹介します。
・相手の理想的な特徴を見て、全体的に理想の相手だと錯覚する
・顔のパーツや配置が相手と似ていると、親近感を覚える
・人間の本能的に、強い子孫を残すため特徴の異なる異性を求める
軽く説明していきましょう。
相手の理想的な特徴を見て、全体的に理想の相手だと錯覚する
これは、心理学用語で「ハロー効果」と呼ばれるもので、ハローは天使の輪っかのことです。一つの目立った特徴があると、人間は全体の評価まで上げてしまうという心理効果です。
例えば、相手の外見的特徴でも適用されます。
イケメンだったら、すべての要素が素敵に見える。
ということも、ハロー効果の一種です。心理学的に「ただし、イケメンに限る」というのは科学的に正しいことになります。
顔のパーツや配置が相手と似ていると、親近感を覚える
たとえば、顔の同じ位置にほくろがある人のことが気になるような感じです。鼻の形だったり、目の大きさでもいいです。
この場合は、イケメンとか美女とかは関係なく、自分と近い人間に親近感を覚えれば一目惚れは成立します。
人間の本能的に、強い子孫を残すため特徴の異なる異性を求める
似ている人と一目惚れしやすい、という説とはどちらかというと逆の立場にある説もあります。
人間は強い遺伝子を残すため、遺伝子が異なる、特徴が異なる異性を求めようとする本能があります
ですので、痩せ形の女性が巨漢の女性を好きになったり、超絶美人が陰キャ感の塊のような男性を好きになったりします。インドア派の希望のような説ですね(笑)
男女別一目惚れの違い
アメリカの心理学者、ジョン・マナーの実験では人間が好き嫌いを判断する時間は約0.5秒だという結果が出ました。
男性は、視覚で好き嫌いを判断するので一目惚れしやすい
女性は、相性を無意識に確かめてから恋に落ちる
つまり、女性よりも男性の方が一目惚れが多いということになります。
男性は、好みの女性をじっと見る傾向があり、平均で8.2秒も見ているそうです。
一目惚れは雷に打たれる感覚
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でマーティ-は、「恋は雷に打たれるのと同じ」と言いました。
恋に落ちると、脳内ではPEAというホルモンが大量に分泌され、この物質により心が麻痺します。PEAは同時にドーパミンと呼ばれる物質も分泌するので、恋に落ちた状態は、
なにも考えられなく、興奮した状態
ということになります。雷に打たれたという比喩は、かなり的を射ていることになります。
映画の台詞に、科学だなんだを持ち出すのは無粋ですが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』はサイエンスフィクションなので、多少のことはご容赦ください(笑)