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先延ばしはしてもいいのか?
勉強とか仕事とか、やらなきゃいけないのに、ついつい先延ばしをしてしまう。
なんとなく、部屋の掃除を始めてしまったり、ゲームのログインボーナスを受け取るのを思い出したり、様々な理由があります。理由の数だけ誘惑がありますし、誘惑の数だけ理由があるわけです。
では、悪いと言われている「先延ばし」は本当に悪いものなのでしょうか?
「作業が進まないんだから悪いに決まっている!」
もっともな意見です。本来やるべきタスクがこなされていないので、悪いと思うのは無理のないことです。
ですが、先延ばしの仕方によっては、作業の効率がアップすることも科学的に証明されています。
先延ばしを防ぐ方法
カナダの大学生230人を対象に、先延ばしに関して質問をする調査が行われました。
「課題の期限があるとき、先延ばしにすることがありますか?」
質問の答えは3つに分けられます。
・先延ばしをしないグループ
・意識して先延ばしをするグループ
・つい先延ばししてしまうグループ
一番成績がよかったのは「先延ばしをしないグループ」で、一番成績が悪かったのが「つい先延ばしをしてしまうグループ」です。
「意識して先延ばしをするグループ」は2番目の成績でしたが、統計的な違いはなかったそうです。つまり、意識して先延ばしをすると、先延ばしをしないのと同じ効果があるということが分かりました。
ここぞという場面で先延ばし
では、先延ばしをしないで効果を上げるのと、意識して先延ばしをして効果を上げるのでは、どちらが精神的負担が少ないのでしょうか。
これは人によると思います。
意識して先延ばしをした場合、それだけ時間が逼迫するわけですから「締め切り効果」と呼ばれる効果が得られるでしょう。締め切り効果は時間の制限を意識することによって、効率を上げるというものです。
この効果が得られるのは、先延ばしをしている最中でも、その課題のことを考えているときだけです。つまり、
課題をやっていないのに、課題を意識してしまっている
という状態になるわけです。精神的負担に関してはおのおの違ってくるでしょうが、
「意識して先延ばし」を続けると常に課題のことが頭から離れなくなるので、ここぞという場面で使うのがよさそうです。
先延ばしを防ぐ方法
最後に、意識して先延ばしをしないときにどうすればいいか紹介していきます。
ある実験で学生たちは、3つの宿題を1学期の間にクリアしなければならない、という課題を出されました。
・期限が決められたグループ
・自分で期限を決めるグループ
・期限が学期の最終日のグループ
宿題の点数は「期限が決められたグループ」が一番よく、「期限が学期の最終日のグループが」一番悪いという結果でした。
ここでも「自分で期限を決めるグループ」は2番目の成績でした。わずかにトップより成績が落ちました。
しかし、学習意欲は「期限が決められたグループ」が一番低いという結果が出ています。ようするに、強制的にやらされていたのでモチベーションが上がらなかったわけです。
自分のペースがいい
課題を提出しなければいけないのは、どのグループも同じ条件でしたが、よりモチベーションを保ててて、より点数を取れたのは、
自分で期限を決めるグループ
だったわけです。つまり、
先延ばしを防止するには、学習の際に自分で期限を決める
ことが重要ということです。