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アイデアを思いつくときは、なにも考えてないとき
アイデア出しをするとき、どのようにしていますか?
ノートに思いつく限りのことを羅列していきますか?
それともアイデアが振ってくるまで待ちますか?
ノートに、思いつくままのことを書き出していくというアイデア出しの方法は、企業の商品開発に用いられているイメージです。
昔、週刊ダイヤモンドの記事で、ある文具メーカーが、そのようなアイデア出しをしているという内容のものを読みました。
このアイデア出しも、効果的なのですが、どうしてもアイデアを思いつかないときってありますよね? 心理学的には、
アイデアをひらめくのは、なにも考えてないとき
であるといわれています。ある実験では、ひらめいたときの脳の状態と、なにも考えていないときの脳の状態は同じであったことが分かっています。
リラックスしているときに、アイデアが生まれる
なにも考えていないといっても、脳がまったく働いてないというわけではありません。
MRIによる検査では、何も考えていないとき、脳の広い領域で一斉に活動していることが分かりました
ようするに、なにも考えていない、ボーっとしているとき、というのは脳が活性化しているといえます。
アイデアを思いつきたいときは、なにも考えない、つまりリラックスした状態を作ることが重要であることが分かります。
創造性の4B
アイデアが生まれやすい場所、4つの頭文字を取った、
創造性の4B
というものがあります。その4つは、
Bathroom(入浴中、トイレ)
Bus(バス、移動しているとき)
Bed(寝ているとき、就寝前、就寝後)
Bar(酒を飲んでいるとき)
です。これらに共通している点は、リラックスしているということです。
クリエイティブな仕事をしている人は、これらのなんでもない時間に、アイデアを思いつくことが多いようです。
純文学作家の創作法
第146回芥川賞を受賞した田中慎弥さんですが、以前、『情熱大陸』に出演されていた際、
「飲み屋に来るときは、あまり調子が出てないとき、調子がよくないから外へ出て映画観て、ごまかして、飲み屋によってグダグダっとなって帰って倒れて寝る」
ということを言われています。田中慎弥さんは、普段の創作のときも、筆が止まったときはベッドに横になってボーッとするそうです。
ひらめきを得たいときは、必死に考えるよりも、こういった思い切った行動が必要なのかもしれません。
いろんな作家のひらめき方
東野圭吾さんの場合
純文学作家でなくとも、例えば、『探偵ガリレオ』で有名な東野圭吾さんは、必死にアイデア出しを行うというよりは、日常のなかで使えるアイデアをなんとなく思いついて、そのメモを見てトリックを決めることが多いようです。
涼元悠一さんの場合
また、シナリオライターの涼元悠一さんも、テキストファイルになんでもない日々のメモ、シナリオに使えそうなメモを兎に角、書き込んでいって、それらを花束を作るようにまとめて、物語の設定を練っていくそうです。
森博嗣さんの場合
もう一人ぐらい紹介しましょう。作家の森博嗣さんは、インプット期とアウトプット期という感じで創作の期間を分けているそうです。インプット期では、模型を作ったり、外を散歩したりといった作業をして、小説のタイトルを考えています。
森博嗣さんは、小説のタイトルを考えるのに多くの期間を割くそうです。プロットはあまり作らなく、タイトルを思いついたら、そく書き始めます。アウトプットの時は小説を書くときです。
最後に
人によって、やり方は違いますが、どの人にもいえることは、リラックスする時間、つまり、なにも考えない時間をあえて作っていることだと思います。
創造的な作業を仕事にしている人は、経験上、ボーっとすることの重要性を知っているのでしょう。
ダメなときは、いっそお酒を飲んでしまうというのも、一つの手です。