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人類の成長が速過ぎた
ダーウィンの進化論と、最新医学のデータを組み合わせた学問を進化医学といいます。進化医学は、進化論をベースに人間の病気の正体を考えていく医学です。進化医学の基本的な考え方は、
人類の進化の歴史から考えると、現在に生きる私たち人類は、古代の人間との生活に違いがありすぎる
というものです。例えば古代の人類は食料を死ぬ思いで狩猟していたのですが、現在の人類はより簡単に、しかも食料の保存が利く環境で生活をしています。
人間の進化のスピードが速すぎたために、本来持っている動物的本能が活躍すべき場所で活躍していなく、過度なストレスを受けているわけです。
超正常刺激とは?
超正常刺激は、動物行動学のコンラート・ローレンツ博士が発見した現象です。その現象とは、
自然界には存在しないものに対して、本能が反射的に作動してしまう状態
のことをいいます。
ミヤコドリの実験
例としてミヤコドリの実験があります。
ミヤコドリは、本能的に大きな卵を選んで育てようとする性質を持っています。
研究者が本物の卵より大きな人工ボールを与えると、ミヤコドリは本物の自分が産んだ卵を捨ててボールを温めようとします。これはミヤコドリの中には、
大きな卵を育てた方が元気な個体が生まれる
という、本能しか備わっていないから起きるものです。ミヤコドリには卵が「偽物である」と疑う本能は備わっていないのです。
二次元キャラ萌えも超正常刺激?
なにもこの現象は、動物だけに起こるものではありません。我々人類も、日々超正常刺激に振り回されています。
二次元キャラが可愛いと感じるのは、本能に基づくものです
こういうことが言えます。古代には、現在のように可愛いキャラクターが描かれてるような作品はありませんでした。よくても壁に描かれた抽象的な絵です。
進化した過程で、このようなものを人類は見てこなかったために、それが絵であるにも関わらず興奮します。そのような可愛い個体の方が、古代の環境では生存率が高かったからです。
超正常刺激が続くと
この状態が続くと脳は単純な刺激に満足できなくなって、さらに興奮を求めるようになります。いわゆるポルノを扱った同人誌を読む行為が、それに当たるかもしれません。
しかし、これは行き過ぎるとヤバイというだけで、そこまで大きな問題ではありませんし、一つの例として考えて下さい。
僕自身アニメはよく見ますし、やはりアニメキャラが可愛いと思うこともあります。
現代に潜む超正常刺激
現在社会は、古代になかったものが蔓延しています。古代の生活の歴史に比べて、現代の歴史は極めて短い。
とりわけ食べ物からは、かなり超正常刺激を受けているといっていいです。例えば、高カロリー高脂肪高糖質の食べ物の筆頭、ジャンクフード。
進化医学的に、人類は高カロリーなものに反応する
と言われているので危険です。しかし、アニメもポルノもジャンクフードも、すべてが悪いわけではありません。
この存在に気づき、コントロールすることが重要です。