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ワーキングメモリーとは?
記憶には直近の出来事を覚える短期記憶と、昔のことを覚える長期記憶があります。
しかし、この2つだけだと生活が不便です。
そこで発達したのが、情報を一時的に保つ「ワーキングメモリー」という機能です。
簡単に言うと、目的を持って作業しているときに使う記憶力のことです。「ワーキングメモリー」は第三の記憶、とも呼ばれています。
ワーキングメモリーも個人差がある
ワーキングメモリーもウィルパワーと同じで、個人差はありますが一定の量が決まっています。
同時に複数の作業をこなしたり、選択や決断が多いとワーキングメモリーが不足して覚えられないものが増えていきます。
結果「モヤモヤした頭の状態」になり、1つのことを考え続けることができなくなります。ウィルパワー同様、ワーキングメモリーの不足も集中力が低下した状態なわけです。
不安を書き出すことで成績が上がる
シカゴ大学の心理学者シアン・バイロック教授の研究で「試験に関する不安を書き出すと成績が向上する」ことが分かっています。実験内容を簡単に説明します。
生徒に2回数学のテストを受けてもらいます。
1回目は「ベストをを尽くすように」と生徒達に言ってテストをし、2回目は試験前に「テストに関する不安」を書き出してもらうというものでした。
結果、試験前に不安を書き出したグループは、1回目より5パーセント正答率が向上しました。
教授によれば紙に書き出した行為そのものよりも、「不安」を紙に書き出したことが成績向上に効果があったというものでした。
ワーキングメモリがリセットされ空き容量が増える
人間の脳もコンピュータのように、メモリに貯まったキャッシュをクリアすることができます。
試験に対する不安が高まると、ワーキングメモリーは心配事で埋め尽くされていきます。その心配事を紙に書くことで、心配事がアウトプットされます。
不安を紙に書いた場合は、ワーキングメモリーがリセットされて、メモリーの空き容量が増えている状態と言えます
反対に試験前なにもしなかったり、テキストを読むだけといった行動をしていた場合、ワーキングメモリー不足で正答率が低下してしまいます。
試験前日にも使える
試験前日とかに緊張して眠れないときも、この方法は効果的です。
不安を書き出すことで気持ちがリセットされるので、よく眠れるようになります。
この場合10分ぐらいでは足りない場合もあります。気が済むまで、あるいは最長2時間を目安に取り組まれることをオススメします。
僕がこの方法を使うと、20分から1時間ぐらい掛かります。あくまでも目安ですので最低10分は書き出す、ということを頭に入れておけばいいでしょう。
試験以外でもこの方法は有効
また、試験以外のことでも使えます。
現在の自分の状況について不安がある場合。それについて書き出します。気が済むまで、もしくは決まった時間が経過したら、書くのをやめます
前もって、不安を書き出す日を決めておくのもいいかもしれません。
「この日に不安を書くから、今は悩む必要ないな」
このように思えたら完璧です。ネガティブ感情に支配されているという人は、一日10分不安を書き出すことを日課にするのがいいでしょう。