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目立った特徴があると全体まで評価してしまう
人間は目立った特徴があると、それに引きずられて全体まで評価してしまう習性があります。これを
ハロー効果
といいます。平均的にこなす器用貧乏より、一つの能力が突出している人の方が評価が高いわけです。ちなみにハローは聖人の頭上にある光の輪のことです。
軍隊での実験
ハロー効果は、アメリカの心理学者エドワード・ソーンダイクが提唱したものです。彼は軍隊の指揮官に、隊員の評価をさせました。その結果、
目立った特徴のある隊員ばかりに、いい評価をつけていた
ということが分かりました。指揮官たちは、認知バイアスがかかってしまっていたわけです。認知バイアスは記憶の誤りなどのことをいいます。
専門用語を使うと効果的
ハロー効果を上手く利用する簡単な方法は、相手が知らない知識や専門用語を使うことです。専門的な知識は、できれば早口で言うといいです。
相手が言葉の意味を理解する前にどんどん会話を進めていって、本当に伝えたいところでゆっくり話します。
すると、伝えたいところだけが相手の脳内でクローズアップされて、企画や営業が通りやすくなります。
詐欺師がよく使うテクニック
これは、詐欺師がよく使うテクニックでもあります。
人間は自分の知らない知識を見せつけられると、その人間の能力を何倍も高く見積もってしまう修正を持っています
サプリメントのマルチ商法なども、効能などについて専門用語を並べ立て、実際の効果のところだけクローズアップして、
「自分には分からないすごい効果があるんだ」
と相手に評価させ、購入させるといった手法がとられています。
平均点より一点集中
ハロー効果を上手く使うには、平均点を取るより目立った特技を一つ作る方がいいです。実験のデータから、
一つの特技に引っ張られて、全体的に優秀だと思われるようになる
ことが分かっているからです。いわゆる万能型のゼネラリストは、どれだけ努力しても平均的な人ですが、
一つの特技を突き詰めたスペシャリストは、ハロー効果により他のことがダメでも評価を上げることができます。
思えば企業の社長なども、スペシャリストが多いのではないでしょうか。
経営のスペシャリスト、アイデアのスペシャリストなどその分野で突出しているから社長になったのかもしれません。
特技を持つと評価が上がる
自分にとって、得意なことを全面に押し出す。つまり特技を一つ持っておくと、評価が上がりやすくなるわけです。特技は人に受け入れられやすいものであれば、なんでも構いません。
一番分かりやすいのは英語でしょうか。
世界的に見ると英語が話せることは特技でもなんでもありませんが、こと日本に置いて英語が話せるというのは、かなりのアドバンテージになります。
仕事の能力関係なく、英語が話せる人はできる人というイメージがあります。
しかし、今得意でもないものを、いきなり特技にするのはかなり厳しいです。英語を今から死に物狂いで勉強して2年で習得できるとしても、その間にモチベーションが下がるのは目に見えています。
好きでもないことを、自発的に2年も出来るわけがありません。
今好きなことを伸ばす
やはり、趣味から特技へ繋げていくのがスムーズだと思います。僕の場合、多趣味なので一つだけ伸ばすのにも苦労があります。どれをやめて、どれを続けるか、その選択が難しい。
それでも、なんだかんだ一番続いているのはマジックです。マジックは10年以上やっています。僕がハロー効果を得るために使う特技は、間違いなくマジックでしょう。
皆さんも一つは探せば特技はあるはずです。
特技でなくとも趣味はあるでしょう。5ちゃんねるに書き込むのが趣味な人はタイピングの速度が早く書類整理が特技になるでしょうし、趣味でギターをやっていたとしたら宴会の場などで披露してハロー効果を得ることができます
自分の趣味はなんなのか把握して、そこから特技に持って行けそうなものをピックアップするといいでしょう。
まとめ
最後に一つ注意して欲しいことがあります。
ハロー効果で得られるのは評価のみで、実力は上がっていない
ということです。
ハロー効果はつまり人間の錯覚です。
当然、実力がなければ、化けの皮が剥がれるといった危険性もあるので、その辺も考慮して自分の実力プラス、ハロー効果で評価を上げる、という使い方をされることをオススメします。