理由もないのに嫌いという心理、ペルソナとシャドウ【ゲームから分かる心理学】

理由もないのに嫌いという心理、ペルソナとシャドウ【ゲームから分かる心理学】

「苦手な上司と鉢合わせして顔をそらす女性社員」[モデル:Lala]

あまり話したことがない人だけど、なんとなく苦手。

大した理由はないと思うんだけど、なんか苦手。

そういう風に感じたことがある人は多いと思います。明確に、こいつのこれが嫌いと分かれば対処をしやすいんですけど、理由もなく嫌悪感を抱いているときはどうすればいいか分からなくなりますよね?

今回はそんな、よく分からないのに苦手、生理的に苦手という心理についてを、テレビゲーム『ペルソナ』での例を用いて書いていきます。

 

 

目次

ペルソナとは?

「あのにますだ」

テレビゲーム『ペルソナ』でこの言葉を知った人も多いと思います。

ペルソナの語源の元々は、古典劇で役者が被っていた仮面のことです。それを心理学者のカール・グスタフ・ユングが、人間の外的側面をペルソナと呼びました。

ゲームの『ペルソナ』で使われているペルソナは、こちらの意味のペルソナです。

人間は社会で生活する上で、様々な仮面を使い分けます。

例えば、会社や学校で見せる顔、友人たちに見せる顔、家族に見せる顔はそれぞれ違っている人の方が大半でしょう。

これは、それぞれのペルソナ(仮面)を使い分けることによって、コミュニケーションをスムーズに取るためであるといわれています。

ペルソナは無意識に切り替えられていますが、なんとなく自分が使い分けているペルソナのイメージが付くと思います。

自分のもう一つの姿シャドウ

「思惑が乱れる影」

ゲームの『ペルソナ』をご存じの方は、すぐにイメージが付くと思います。この作品では、必ずシャドウというボスキャラクターが登場します。

このボスキャラは、普段の自分が意識していないどす黒い感情だったり、打算的な感情だったり、トランスジェンダーな考え方だったり、様々な心の影が具現化したものです。

「お前なんか! オレじゃない!」

と、心の奥底の自分を認めないことによって、モンスター化します。

意識していない自分の心の奥にあるもう一つの自分の姿、これを、

シャドウ

といいます。例えば、本気でお世辞を言っているつもりでも(ペルソナ)、もう一人の自分は嫉妬に燃えている(シャドウ)という状態も考えられるわけです。

ゲームでは、最終的にシャドウを受け入れることによってステージをクリアしていきます。

理由もないのに嫌いという心理

「社会人としてよくないね!」[モデル:茜さや]

生理的に無理、理由はないけど嫌い、という心理状態は相手の行動や性格のなかに、自分の内面にあるシャドウを見てしまうことによって起こると考えられます。

ようするに、相手のなかに意識していない自分の性格と似た部分を感じてしまっているわけです。

自分で見たくない性格を、感じていると言ったほうがいいかもしれません。

例えば、自慢話のしつこい人間を見てなんとなく嫌いに思っている。しかし、考えてみると自分も自慢話が多い人間かも知れない。

生理的に苦手な相手を知ると自分を知れる

「耳を立ててこちらを見つめるにゃんこ」

嫌いな相手とは距離を置くに限るのですが、ワケもなく嫌いな相手については、もう少し探りを入れてみるのもいいかもしれません。

ユングのペルソナ理論によれば、相手を知ることで自分の内面を知ることができるわけです。

自分のなかのマイナスポイントが浮き立って、治すこともできるようになります。

自分を客観視するために、嫌いな相手と付き合う。

このメリットを意識するだけでも、スムーズにコミュニケーションを取れるようになるでしょう。

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