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ストレスのない人生とは
ストレスは解消するものではなく活用するものです。そう言われたところで、
「じゃあどう活用すればいいんだ」
と思われるのも無理はありません。
「ストレスなんてないほうがいいに決まっている」
そう思うのも仕方ないことです。しかし、ストレスのない人生とはいいものなのでしょうか。
ストレスがない人生とはつまり、傷つきたくないから逃げて、リスクがあるからチャレンジせず、安心を求め、安全を求めている、ただ意味もなく生きているだけのつまらない人生です。
ラクでいたいからストレスのない方に行く
自分が安心できる間合い、つまりストレスがかからない「ラクでいられる範囲」のことを認知科学者の苫米地英人氏の言葉で表すと「コンフォート・ゾーン」といいます。
人間は潜在的に、コンフォート・ゾーンから外れないように、思考と行動を制御しています
だから、ストレスから逃げたいという反応自体は否定されるべきものではありません。ストレスレスな人生を送ることが、自分が求めた結果ならば、治す必要もありません。
しかし、夢があったり、もっと精力的に仕事をしたいと思っているにもかかわらず、ストレスレスな人生に逃げ込んでいる人は、ただ自分に嘘をついているだけになります。
「いつか見返してやる」
自分に嘘をついている人に、その「いつか」は永遠にやってきません。
ストレスと人生の満足度
ニューヨーク州立大学が逆境を多く経験した人と、ほとんど経験していない人の、人生に対する満足度を調べています。調査の結果、
多くの逆境を経験した人は人生の満足度が低く、逆境を経験した数が少ない人も人生の満足度が低い
ということが分かりました。注目すべきは、
ほどよく逆境を経験した人が最も満足度が高かった
という点です。適度なストレスにさらされた人は、人生により満足しているということになります。
ちなみに、あまり逆境を経験しなかった人たちは幸福度でなく、健康状態もよくなかったようです。また、厳しい逆境でもそれを乗り越えることによって、満足に変わることもあることが分かりました。
ストレス反応の種類
人がストレスを受けたときの反応は、大きく分けて3つあります。これを知っておくと自分のストレスについて、自己分析できるので有効です。
1、闘争・逃走反応
2、チャレンジ反応
3、思いやり・絆反応
1、闘争、闘争反応
闘争・逃走反応はストレスを受けたときに、戦うか逃げるかの反応が起きることです。
例えば古代の人々は、日々この闘争か逃走の選択のストレスを感じていました。いつマンモスに襲われるか、マンモスに襲われたときに戦うか、逃げるかといった選択をしていたということです。
2、チャレンジ反応
チャレンジ反応はドキドキ、ワクワクしている状態のことです。
クライマーズハイは登山家の恐怖心が極限まで達したときに、その感覚が麻痺するというものですが、そのときのストレス状態はチャレンジ反応が起こっている状態といっていいでしょう。
チャレンジ反応は血管を拡大させる効果があるので、老化が緩やかでメタボになりにくいと言われています。
3、思いやり・絆反応
思いやり・絆反応は、例えば災害時に被災者同士の助け合いが活発になり、人とのつながりを求める反応が起きます。
この反応では、オキシトシンという「抱擁ホルモン」と呼ばれるホルモンが脳の下垂体から分泌されます。オキシトシンは心疾患のリスクが低下する働きがあります。
災害時に手を取り合うのは、人間の生存意識に呼びかけた、本能的な行動でもあるわけです。
ストレスを受けたとき
ストレスを味方にするには、なんとなく受けているストレスが、どんなことが原因で起こっているのか知る必要があります。
ストレスを受けたときは、「未来を基準」にして考える
ストレスが、自分の未来にどう役に立つか考えることが重要になります。ストレスから逃げずに、ストレスを味方にしていくことで、強いメンタルを持つことができるようになるでしょう。