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上手く伝えられない
相手を説得したり、なにか伝えたいことがあったとき、上手く伝えられないことありませんか? 話したいことが多すぎて支離滅裂になってしまったり、言いたいことを言うのを忘れてしまったり・・・。
説明するときは、順序立てて説明しなければ、相手には上手く伝わりません。しかし、どのような順序で説明すればいいのでしょうか?
そこで、会話の重要な部分を会話のどこに持ってくるかが重要になってきます。
クライマックス法
会話に起承転結や序破急を用いるのは効果的です。序盤、中盤、終盤と進めていって結論を最後に言う話法を、
クライマックス法
といいます。これは馴染みのある方法でしょう。きっちり順序を踏めば理解してもらえます。しかし、それだけでは相手の興味を引けない場合があります。
アンチクライマックス法
心理学者のスポンバーグの提唱した会話法で、
アンチクライマックス法
というものがあります。どういうものかというと、結論を最初に話して相手の興味を引くテクニックです。
ミステリ小説の例
クライマックス法とアンチクライマックス法について、ミステリ小説を例にとって説明したいと思います。
よくあるミステリ小説は、主人公が事件に巻き込まれ、事件を調べていくうちに犯人を突き止めるというものです。これはクライマックス法と言っていいでしょう。
対して、少しひねったミステリ小説では、犯人が物語の冒頭で人を殺し、主人公が犯人の痕跡を追っていくというものがあります。小説ではないですがドラマ『古畑任三郎』なんかは、この手法が用いられています。
物語の序盤に印象的な場面を挿入して、視聴者を惹きつける。
そういう意味では、このドラマはアンチクライマックス法を用いていると言っていいと思います。小説で言うと東野圭吾さんの『容疑者Xの献身』なんかは、アンチクライマックス法を使っています。
厳密には、こういった犯人のアリバイを崩すミステリは倒叙ミステリと言います。
誰がやったから、なぜやったかになる
ミステリ小説でアンチクライマックス法が有効なのは、
序盤から犯人を明かすことで、犯人がどうやって被害者を殺害したのか興味を持たせることができる
からです。これを会話として考えると、
話の結論を先に聞くことによって、なぜそうなったのか先が気になる
フーダニット(誰がやったのか)が一般的な犯人当てのミステリなのに対し、倒叙ミステリはハウダニット(どうやってやったのか)に力を入れています。
惹きつけるには、関心があるかないかで判断
もちろん、クライマックス法も有効です。小説もクライマックス法を用いたものが多いですし、実際その方が安心感を持って聞くことができる場合もあります。
では、この2つの会話法はどのように使い分ければいいのでしょうか?
・クライマックス法は関心のある人に使う
・アンチクライマックス法は関心のない人に使う
スポンバーグによると、自分の話に興味がある人にはクライマックス法を使い、自分の話に関心がない人にはアンチクライマックス法を使うといいようです。
関心のない人には竜頭蛇尾で
アンチクライマックス効果で会話に惹きつけることが出来る場合もありますが、本当に関心がない人には、なんにも伝わらない場合があります。
一番意識すべきは竜頭蛇尾です
結論は一番伝えたいことですから、会話の最初に持ってくるのは、ものすごく合理的です。極端な話、会話の序盤だけしっかりしていれば会話になるわけです。
また、会話を順序立てて続けるのが苦手な人は、とりあえず序盤だけ100点を取れるようにするといいと思います。