目次
勉強する順番
勉強する順番は、記憶と密接に関わっています。
例えば、こんな問題があったとします。
徳川歴代将軍をすべて答えなさい
家康、家光、慶喜ぐらいは言えるかもしれませんが、その他は、ぱっと出てきませんよね?
吉宗なんかは暴れん坊将軍で有名ですし、すぐに出てくるかもしれませんが、やはり、すべてを直ちに答えるのは厳しいと思います。
系列位置効果
実験心理学の授業で行われる実験の一つに、
系列位置効果
というものがあります。
パソコンで、10個の単語を順番に5秒ごとに表示します。
被験者にはそれを覚えてもらい、テストをします。
その結果、最初の方に出てきた単語と、最後の方に出てきた単語の正答率が、高かったというものです。
真ん中辺りに出てきた単語は、ほとんど覚えていませんでした。このように、最初と最後だけ覚えていることを、系列位置効果といいます。
アメリカ大統領についての実験
アメリカ人大学生254人を対象に、アメリカ合衆国大統領の名前とその大統領が何代目か書き出してもらうという調査を行いました。
実験の結果、初代の大統領と16代大統領のリンカーン、そして実験が行われた年に大統領だった人物についての正答率が高かったようです。
リンカーン大統領は、奴隷解放宣言で有名な大統領です。我々日本人でも知っている大統領ですね。ようするに、私たちが8代将軍徳川吉宗をいえるのと同じことが起きてるわけです。
順番に効果があるのか
有名どころの歴史上の人物は、それだけ学習回数が多いので記憶に残っていると考えられます。
本当に学習した順番で学習効果が違うのか?
学習の順番の効果を調べた実験で、それは証明されています。
歌詞が6番まである賛美歌を、その賛美歌に親しんだ宗派の人々に、カードを正しい歌詞順に並べてもらうという実験があります。
正しい順番に並べられた割合が多かったのは1番の歌詞、次いで6番の歌詞でした。
賛美歌は常に1番から6番まで歌う物なので、学習量はすべて同じだったそうです。
カラオケで歌詞を覚えているか
カラオケに行った時、歌詞を見ないで歌ったりするときがありますが、たいてい2番、3番はうろ覚えだったりします。
お気に入りの曲をアカペラで歌ってみて下さい。
1番は歌えるけど、2番の歌詞をよく覚えていないことに気づくはずです。カラオケで歌えるのは、歌詞が画面に流れているからです。
でも、最後の歌詞だけはバッチリキメている。
心辺りありますよね?
最初と最後に重要なことを学習する
系列位置効果が生じて、真ん中が覚えにくい理由の一つとして、
前後に学習した事柄と混同している
ということが考えられます。カラオケでいえば、
「あれ? この歌詞3番だっけ?」
という感じです。つまり、系列位置効果を利用して学習する場合、
最初と最後に最優先事項を学習する
という方法を取れば、記憶に残りやすくなるということが考えられます。
勉強順をランダムにする
考えてみると、英単語帳とかも最初の方のページに載っていた単語の方がより記憶に残っています。ということは、
勉強する順番をランダムにする
みたいなことをすれば、まんべんなく記憶できるということになります。
しかし、ランダムだと、どこからやったか、分からなくなりそうですね(笑)では、こういうのはどうでしょう。
英単語帳は、前から10ページ読んだら後ろから10ページ読む。
効果がありそうです。あるいは、
英単語帳は中央から読み進め、最後のページに行ったら最初から読む。
ようするに、学習の順番をアレンジすればいいわけですね。
特に歴史科目は、教科書の真ん中から読んだ方が良さそうです。縄文時代は中学校で毎回勉強してますからね。耳タコなところは、すっとばすのがよさそうです。