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口喧嘩は水掛け論
ついつい熱くなってしまうのが口喧嘩です。必死に相手を打ち負かそうと思っても、相手にも言い分があるため、なかなか収束しません。
また、相手の言い分がおかしかったとしても、相手も熱くなっているためそれに気づきません。反対に、自分が熱くなっている場合も同じです。
自分が熱くなっている場合は、以前紹介したリフレーミングを行えば、それなりに効果はあります。
水掛け論を続けることは可能ですし、それを楽しむという考え方をする人もいます。しかし、それを望まない場合は、どうやって勝つかが問題になってきます。
今回は口論に勝てる方法、イエスバット法を紹介していきたいと思います。
言い負かすことには意味がない
口論を続けるうちに、相手の言葉が詰まるとします。つい、言い負かしたと思ってしまいがちですが、それは意味のないことです。
なぜなら、相手は絶対に納得していないからです。
例えば会社の上司と口論になったとき、いつも折れるのはあなたの方です。あなたはその結果に納得していますか? 納得できるわけがありません。
それは、自分の意見を否定されているからです。
マジックをしていて思うこと
僕はマジックを10年以上やっているのですが、何年やっても途中で種をバラされたり、「わかった!」と言われることがあります。
大体その人が指摘する種は的外れなことが多いのですが、マジック始めたての頃はいちいちそれに突っかかって、絶対に分からないようにしてやろうと躍起になっていました。
しかし、それは意味のないことです。
そもそも指摘された種自体間違っているので、自分のマジックには、なんら影響がありません。
一部だけ当たっていたとしても、全体の不思議さが保てていれば問題ないわけです
それよりもっと問題なのが、バレないようにと必死になって、演技の質が落ちること。
つまり、マジシャン的な視点から見ると、観客と喧嘩しても意味がないわけです。そもそも冷静に考えると、演技を見てもらっている立場で喧嘩するとか意味が分かりません。
マジックでネタばらしされたとき
マジシャンとしての経験を踏まえて、そもそも口論に勝つには喧嘩しないことが大事だと僕は思います。
こう言うと混乱されるかもしれませんが、マジックを演じているときの例を一つ挙げましょう。例えばお客さんに、
「ああ! それ種知ってる!」
と言われたとします。その種が当たっていようと、当たっていまいとこう返します。
「よく分かりましたね! でも2人だけの秘密でお願いします」
言葉のニュアンスは、その都度変わるのですが、基本的に、一度相手の意見を受け入れていることに意味があります。
ここで下手に不機嫌な雰囲気を出すと、そのお客さんは2の手3の手と種を見破るのに躍起になってしまいます。
お客さんも楽しめませんし、自分自身も楽しめません。
一度認めること
一度イエスと言った上で、反論していく手法を、
イエスバット法
と言います。手品に例えると、「イエス」で一度相手を認めているので、その後お客さんがマジック見破ってやるといった、喧嘩腰になりにくくなるといった感じです。
この技術は相手を認めているようで、実はまったく相手にしていないので、そもそも口論にすらなりません。
スルー力というワケではないのですが、自然と自分の言い分を相手に聞かせることができるので、効果的です。
口喧嘩で勝つ
つまり、口喧嘩でこれを使うと相手と口論にならないわけですね。自分で火種を消すことができるから、このテクニックは強いということです。
口喧嘩で言い負かして勝つのではなく、そもそも口喧嘩にしないで勝つというのが重要です。
どうしても喧嘩をしてしまうカップルにも、このテクニックはオススメです。