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本番でやる気がなくなる
好きな人がいるとします。突然ライバルが現れた場合、一人ぐらいなら、
「あいつに勝ってやる!」
と意気込んで玉石混淆でアタックする人もいるでしょうが、その人数が10人になったら、
「あんなにいたんじゃ無理だ」
という感じで、あきめてしまいますよね?
試験についても、家で過去問を解いているときは万全なのに、試験会場に行くと、
「ああ、どうしよう。できるのかな」
てな具合になったりしませんか?
また、なにかのオーディションを受けるとき、前日は絶対大丈夫と思っていても、当日になると、
「もう無理だ。こんなのできるわけない」
なんて悲観的になる人がいると思います。
ライバルが多いとやる気がなくなる
2009年にアメリカで発表された研究で、この原因と考えられるものが報告されています。それは、ライバルの数が多いとやる気が下がるというものです。
この実験では、推論能力や数学的能力を試すテストを、多数の大学生に行いました。テストを受ける際、大学生たちはテストを、
・多人数の教室で受ける
・少人数の教室で受ける
というように、教室によって学生の人数を変えて試験を受けました。実験の結果、
少人数の教室で受けた方がテストの成績がよかった
ということが、分かりました。
思い込みで成績が悪くなる
また、74人の学生を対象にした実験でライバルが多いと、テストの結果が悪くなることが証明されています。
学生に、一般的な知識に関する問題を、できるだけ早く解いてもらうという課題を出します。課題を解くとき、学生たちは2つのグループに分けられます。
「あなたの他に10名の人が同じ問題を解きます。上位20パーセントの人には賞金5ドル差し上げます」
「あなたの他に100名の人が同じ問題を解きます。上位20パーセントの人には賞金5ドル差し上げます」
実験の結果、ライバルが10人であると言われてた参加者は、ライバルが100人であると言われた参加者よりも、短い時間で課題をクリアできました。
ライバル効果
この実験で分かったことは、実際に多くの人間を見ていない状態でも、成績が下がるというものでした。つまり、
錯覚で成績が下がった
ということです。ライバルが多いと自覚するだけで、やる気が下がることを、ライバル効果といいます。
ライバルは意識する必要なし
例えば、お笑い芸人を目指す人がオーディションに参加するとき、自分の出番まで多くの芸人志望のネタを見ることになると思います。お気づきですね?
この間に、やる気が下がっていくわけです。
「あいつら、俺より上手いんじゃないか。大丈夫か」
なんてことを考えた時点で、パフォーマンスは低下するということです。
ライバルの存在が、モチベーション上げることがあるというのもあります。しかし、科学的には、ライバルは意識しないというのが正解のようです。