今回は、易経の卦の2つ目「坤為地(こんいち)」について書いていきます。タイトルの横に書かれてている言葉は易の卦のイメージです。
この講座で少しでも易に興味を持っていただけたらと思います。
目次
おとなしい雌馬
坤、ようするに地の卦は女性を表します。上卦下卦ともに地であり、陽が一つもない純粋な陰です。
陰は基本的につつましさやおとなしさを表します。このため坤為地は、男性を支える女性、男性に付き従う女性を表します。
現代で従順に付き従う女性というと、あまりピンとこないかもしれません。易経が書かれたのは遥か昔です。昔の価値観で言えば、従順な女性が美徳とされ、それが純粋な陰の卦である坤為地となったのかもしれません。
上から下まで混じりけのない陰なので、思い悩んでいることなどは次第に解決していくといえます。
しかし、基本的に陰は陽に比べて消極的なのでがつがつと自分から前進していくのは不向きです。じっくり腰を据えて流れに身を任せる余裕を持ってこそ、願いが叶うというものです。
シーン別の坤為地
シチュエーションに合わせた以下の一例を参照して、占いをしてみましょう。
運勢
この卦が出たときは、基本的に物事が滞ることなく進んでいくといえます。しかし、それは受動的な態度でいるときです。
坤為地はすべてが陰であることから、極めて女性的な卦であるといえます。陰は陽に比べて控えめな卦なので、乾為天のときのような勢いのある行動をしてしまうと一気に崩れてしまいやすいです。
ここはグッとこらえて、「時の流れに身を任せる」ような余裕を持つことが重要です。ようするに、落ち着いてそこに留まっていれば吉であるということです。
恋愛
女性に対して占ったとき、その女性は奥ゆかしく極めて女性的な人物であるといえます。普段は粗雑な面が目立つ人でも、心の奥は従順な女性の心を持っています。
坤為地が出るとその女性は、外見的にも内面的にも女性的である場合が多いです。この卦が出たときは、男性主導で交際を進めていくと上手くいきやすいです。
男性に対して占ったときに出た場合は、その男性は消極的な人物である可能性があります。大事な決断はなかなかできずに、先延ばししてしまう可能性もあります。
控えめでやさしい一面もあるのですが、ときにその控えめな態度があなたをイラつかせる原因にもなります。もし、将来的なコトも考えているのならそのストレスは一生続いていくと考えたほうがいいです。
基本的にはやわらかい物腰の人なので、守られているような安心感はなくとも一緒にいて楽しいといった満足感を覚えることはできそうです。
結婚
坤為地のイメージは「おとなしい牝馬」です。結婚・縁談を進める際には、相当の根気と努力が必要であるといえます。
結婚を占ってこの卦が出たとき、それが決まるまでにある程度の期間はかかります。そもそも良縁であるかというと微妙なトコロです。
乾為天のように飛翔するが如くグイグイと話が進むことがなく、お互いが一歩引いたところで様子を見ている状態が続きます。
ようするに優柔不断な状態です。
よく言えば慎重ということになるのですが、その決断力のなさは結婚してからも続きます。今後の結婚生活を考えても、あまりいい縁ではないでしょう。
健康
健康運として坤為地をみると、病状の進みはあまりよくありません。消極的な卦なので、徐々に悪化していく傾向があります。
もし、その人が重体の場合徐々に悪化していくことが考えられます。
この卦は老婆の健康体とされています。老婦人の健康運を見たときにこの卦が出た場合、病状が回復していくことも考えられます。
今回の易経講座は、ここまでにしたいと思います。シチュエーションは徐々に増やしていきたいと思いますので、定期的に覗いてください。