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脱フュージョンってなに?
「脱フュージョン」とは、心理療法で使われるテクニックです。
否定的な思考と自分を切り離して、ネガティブ感情に支配されないようにするためにこのテクニックは使われていいます。
負の連鎖が負の連鎖を呼ぶ。
ネガティブなときは、ずーっとネガティブになってしまうものです。
脱フュージョンではネガティブな感情と思考を、客観的に見つめ直します。見つめ直すことによって、負のスパイラルから抜け出すことができるというものです。
いくつか方法があります。
「と思った」とリピート
これは僕が普段よく使っている方法です。以下のステップで行います。
1、ネガティブな感情が湧いてきたら、小さく口に出す。自分がそれについてどう思っているかを観察する。
2、頭に湧いたネガティブなことを繰り返しながら、最後に「・・・と思った」と付け加える。これを5、6回リピート。
3、ネガティブフレーズを頭の中でループしながら、言葉の最後に「・・・と思ったことに気付いている」と付け足す。
ようするに、この方法は、物事を俯瞰で見ることに役立つわけですね。
ネガティブ感情は自分から
ネガティブ感情は、基本的には自分中心に考えているときに起こるものです。
人のことを心配してネガティブになる人もいるでしょうけど、基本的に、
ネガティブな感情は、その感情を感じている自分自身から湧き上がるもの
です。
「自分は嫉妬心ばかり芽生えて、成長しようとしないダメなやつだ」
なんて思ったとします。これも、
「自分は嫉妬心ばかり芽生えて、成長しようとしないダメなやつだ・・・と思ったことに気付いている」
って感じに付け加えます。
なんとな~く、ソクラテス的な「無知の知」的なそんな雰囲気を感じませんか?
・・・いや、僕だけかもしれません。どう感じたとしても、気付いたことに褒めてあげるという、いわゆる「自分で自分を褒める」プラスの状態になるわけです。
アニメ声で言っちゃう
負のスパイラルはそこから抜け出せないからスパイラルなわけで、一つだけ方法を知っているだけでは少し心許ないです。アニメ声法というのがあります。
1、ネガティブフレーズが浮かんだら、思ったことをアニメキャラのモノマネで言う。
2、何度か繰り返したら、同じフレーズを別のアニメキャラにしてみる。
アニメキャラは何でもいいです。ドラえもんだろうがアナゴさんだろうが、○ッキーマウスだろうがやりやすいのでいいです。
で、その人物になりきって言ってみる。
書いてて思い出したんですけど、僕がこの方法を使うとき、大体、福山雅治が出てきます。アニメキャラである必要もないようです。
自分と違う人物、それも特徴的な人がようさそうですね。
根拠のないネガティブ
純文学作家の芥川龍之介は遺書に自殺の動機として、
「僕の将来に対する唯ぼんやりとした不安」
と書き記しています。
ネガティブな感情の大半は、根拠がないもので締められています。
明確な裏付けもなしに物事を決め付けてかかって、大きなストレスがかかることを思考のアンバランスと呼びます。
芥川は自殺した時点では、富も名声も手に入れていたといっていいと思います。それなのに、ただぼんやりとした不安を抱えていたわけです。
文豪ですら根拠のない不安に押しつぶされていたのに、我々がそれに立ち向かう術はあるのでしょうか。
客観視する
その手段として使えるのが、客観的に見るということです。とにかく、根拠はないことを知る必要があります。
思考のアンバランスは、長年培ってきた脳の癖のようなものなので、すぐには治せません。
ですので、時間をかけて上で紹介したテクニックを使って少しずつ修正していく必要があります。
長い道のりですけど、「脳の癖」をよい方にしていきましょう。