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物が捨てられない人に起きる心理
部屋の中が、物で溢れかえっている。ゴミは少ないけど、とにかく物が多い。
最近はミニマリストと呼ばれる人たちが増えていって、片付け法というのも、ちまたに溢れかえっています。片付け本はどれも「いらない物は捨てるとか」「ときめかない物は捨てる」とか、そういった内容が大半を占めています。
しかし、何冊も片付け本を読んでも、実践できてない人が多いと思います。
結局「いらない物」と言ってもいつか使うかもしれないし、「ときめかない物」と言われても、それにときめいていた時の記憶が思い出され、やっぱり捨てられなかったりするわけです。
で、片付け本自体も「捨てられない物」のカテゴリーに仲間入りしてしまう(笑)
3つの心理効果
物が捨てられない人には、3つの心理効果が働いているようです。
1、選択回避の法則
2、損失回避の法則
3、保有効果
1、選択回避の法則
選択肢が多すぎると、物を選べなくなるということです。
部屋が物で溢れかえっていて、掃除をしたいという思いはあるけど、多すぎるあまりに捨てようにも捨てられないという心理状態です。
使いもしないバッグを大量に部屋に置いている人や、大量のキャップやリストバンドなどのアクセサリー類を、部屋に置いているような人は要注意です。
2、損失回避の法則
例えば、10年前に買った高価なネックレス。
「数年は着けていたけど、もう5年ぐらい着けてない。売ろうとも思うけど、中古だし買った値段よりは下がるよね。もったいない」
その物を持っていることで得をすることより、その物を失ったことで損をする場面を想像してしまうことを損失回避の法則といいます
株とかFXでも、損失回避の法則が働いている人をよく見ます。
株や外貨の価格が下がった時、トレーダーは、これ以上損をしないように多少の損は覚悟で、損切りをします。
一流のトレーダーでも常勝はありえない世界ですので、損が出たときに、少しでも軽くするのが重要なわけです。しかし、勝てないトレーダーは損が出たとき、これとは真逆の考え方をします。
「今は損はしているけど、ひょっとしたら上がるかもしれない」
長期的に見れば上がる。だから今は売らないで持っておく。これを「塩漬け」と言います。確かに長期的に見た場合は上がる可能性もあるのですが、そのまま下がったままという可能性もあるわけです。
やはり一流のトレーダーは、損切りのラインを決めて、ラインを下回ったら綺麗さっぱり売ってしまうようです。
3、保有効果
人間は1度保有した物に、より高い価値を感じてしまう生き物です。
ある実験で、興味深い結果が出ています。
1、被験者に花瓶を見せて「いくらで売れると思いますか」と聞きます
2、同じ花瓶を被験者にプレゼントしてから、「その花瓶をいくらで売りますか」と聞きます
前者よりも後者の方が、被験者はより高い金額を花瓶に付けました。
つまり、一度自分の物になったというだけで、花瓶の値段を高く見積もったということです。
この保有効果は、選択回避の法則とも損失回避の法則とも言えます。それだけ、人間は一度手にしたものに価値を感じてしまうということです。
3つ合わせて現状維持
部屋が片付けられない、物が捨てられない人はこの3つの心理が働いて、現状維持という選択をしてしまっているわけです。
これを「現状維持の法則」といいます
物を捨てたり、部屋の掃除をする時これらの心理が働いていないか検討してみましょう。
「この捨てられない物たちは、保有効果によって捨てられないんだ」
ひとまずこれを自覚するだけでも、掃除のやりやすさが違ってくると思います。