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手書きの方が記憶に残る
電子書籍、電子メモパッドなど紙媒体だったものが、デジタルに置き換わりつつある現代です。デジタルが便利なのは分かると思いますが、なにかを記憶したいとき、パソコンに打ち込むのと、手書きではどちらの方が記憶に定着しやすいのでしょうか。
プリンストン大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校が行った共同研究では、手書きが圧倒的に記憶に残りやすいことが分かっています。
実験では、大学生を対象に講義を、
・手書きでノートを取るグループ
・ノートパソコンでノートを取るグループ
に別けて比較しました。結果、
手書きの学生の方がよりよい成績を上げ、より長期間に渡って記憶が定着した
ということが分かりました。
また、手書きの方が新しいアイデアを思いつきやすくなったという結果も出ています。タイトルでも書いている通りに、手書きの方が記憶に関しては得られるメリットが、パソコンに比べて圧倒的に多いということになります。
手書き中にのみ活性化する脳の部位
スタヴァンゲル大学とマルセイユ大学の共同実験では、手書き中とタイピング中の脳の動きをMRIでスキャンしました。結果、
手書き中のみ、ブローカ野が活性化する
ことが分かりました。ブローカ野とは脳の言語処理にかかわる部位のことです。
キーボードのメリット
ペンは手を動かしているから、記憶に定着しやすい。
とよく言われることが、科学的に証明されたことになります。キーボードも手を動かしてはいるのですが、ペンで書くときよりは動かしていないのは分かると思います。
しかし、もちろんキーボードもメリットはあります。ぱっと思いつくのはこんな感じです。
・手が疲れない
・速く書ける
・字が汚くならない
キーボードは手書きに比べて疲れませんし、手書きより格段に速いスピードで文字を書くことができます。
小説家の森博嗣さんは1時間に6000文字書けるそうです。さすがにこれは現実離れした打鍵速度です。僕の場合、どれだけ速くても、1時間で3000~4000文字がいいところです。
文章の内容にもよりますが、平均すると2000文字ぐらいだと思うのですが、これも手書きではなかなか出すことができない文字数だと思います。
また、機械で書いた文字なので、文字が読みにくいといったトラブルが発生しません。
国会でのペーパーレス化
余談ですが、現在、小泉進次郎議員が中心となって、国会でのペーパーレス化が進もうとしているようです。僕は、これは正しい流れだと思います。
パソコンで作成した文書をPDFにして送ればいいだけなので、合理的です。
電子書籍にしろ何にしろ、デジタルをハナから否定するのは古い旧世代の考え方だと思います。そもそも我々も、旧世代から現代へと、時代の流れの積み重ねで、快適な生活を送っているわけです。
最後に
ただ、手書きが記憶に残りやすいというのも科学的に証明されているので、完全に消滅することはなさそうです。ちなみに、読書も実際の本の方が記憶に定着しやすいと言われています。
それについては、記憶に残しやすい復習などでカバーできる範囲のものであるとも思います。僕が試したところ、デジタルの場合は復習がしやすかったです。Kindleではマーカーで線を引いた箇所を一括で見れるので、非常に分かりやすいです。
ただ、アナログの方は「この辺だったな」と位置記憶と結びつけて直感的に探すことができるので、どちらも捨てがたいです。
自分で試して両立が一番ですね。