初めに言っておきます。
速読に意味はありません。
この記事を読んでくれている人は、少なからず速読や読書術に関心がある人だと思います。僕の言う意味のない速読とは、フォトリーディングなどの早く読むことのみに特化した読書術です。
最近の研究で、写真を撮るようにページをめくって記憶していくフォトリーディングは意味がないということが分かっています。
僕は今まで、読書効率化のために様々な読書術を試してきたのですが、結局一番最初に実践した読書術を11年ほど続けています。
それが超併読読書術です。
僕の知る限り、この方法がもっとも実践しやすく、もっとも継続しやすい読書術です。
目次
超併読読書術とは?
超併読読書術は、超並列読書術ともいいます。これは元マイクロソフト代表取締役の成毛眞さんが推奨している読書術です。
僕は学生時代に成毛さんの書いた、
『本は10冊同時に読め!―本を読まない人はサルである!生き方に差がつく「超並列」読書術』
という本を読み実践を開始しました。出版されてすぐに買ったので、他の読書法を試したりと紆余曲折ありますが、逆算すると11年ほどこの読書術で読書していることになります。
この読書法は非常に簡単です。
本を10冊並列して読む
これだけです。これを実践するだけで、本を速く、深く、多く読むことができます。
超併読読書術のやり方
10冊同時に読めといって、10冊の本を机に広げて読むわけではありません。
超併読読書術は、外出用のカバンに本を2冊、トイレに1冊、リビングに3冊、寝室に2冊、自室に2冊と本をそれぞれの行動拠点に置いておいて、場所場所で読む本を変えていく読書の仕方です。
読む本のジャンルは、被らないようにします。
ミステリー、ノンフィクション、純文学などのように、本の種類をミックスしていくことによって、飽きるということがなくなります。
さらに、新たなアイデアをひらめきたいときに、情報が混ざるので、これまでにないアイデアが生まれやすくなります。
初めは3冊ぐらいから初めて、本を徐々に増やしていくといいでしょう。
本は最後まで読む必要なし
超併読読書術の一つのキモは、本を最後まで読まなくてもいいということです。時間は有限なので、その時間を有効活用します。
ようするに無駄な本の、無駄な知識は吸収しなくていいということです。なので10冊同時に読み進めても、最後まで読み終える本が1冊しかなくてもいいわけです。
読み終えるタイミングは、自分のタイミングで構いません。
これ以上得られるものがない、と思ったらやめてもいいですし、「もう知ってるよ」と思っているところは読み飛ばしても構いません。
超併読読書術に対する批判
そんなに多くの本を読んでたら、内容忘れるんじゃない?
と思った人もいるでしょう。この記事を書くに当たって、「本は10冊同時に読め!」のAmazonレビューを読みました。
当然ですが、この読書法を否定している人もいます。そのなかで、「科学的な根拠がない」というものがありました。
確かに、この本のなかでは科学的な裏付けのある説明はされていませんでした。
併読読書によって著者である成毛さんが、いかに成功してきたかを書いてあるだけです。自己満足と受け取る人がいるのも、仕方のないことです。
正直なところ「庶民を見下しすぎじゃないか?」と僕も思いました。
本を読まない人はサルである
副題でここまで煽っているので、人によってはこれだけで本を閉じてしまうかもしれません。
僕個人の意見としては、本を読まない人は確かに文章力や思考力が崩壊していますが「それで生活できてるんならいいんじゃない?」とも思います。
ただ、ツイッターで文章力が幼児レベルの人を見ると、ちょっと残念な気持ちにはなります。
超併読読書術の科学的根拠
成毛さんの本では、超併読読書術の科学的な効能については触れられていませんでした。成毛さんは長年培ってきた経験によって、超併読読書術を体得されたわけです。
しかし、超併読読書術には科学的根拠もあるんです。
皆さんは、こういう経験ありませんか?
すでに終わった仕事については思い出せないが、現在進行している仕事のことは思い出せる
心理学では、ツァイガルニク効果というものがあります。これは、ロシアの心理学者ツァイガルニクの発見した心理効果です。
ツァイガルニクはレストランのウェイターが、会計の終わった客の注文は覚えていないが、会計の終えていない客の注文はよく覚えていることから、記憶の仕方に違いがあるのではないかと考えました。
ツァイガルニク効果の実験では、2つのグループにパズルなどの課題を与えました。
一つのグループには中途半端なところで課題を終了させます。
一つのグループには最後まで課題をクリアさせます。
あとで、どんな内容だったか聞いてみると、なんと中途半端なところで課題を終了させたグループは、そうでないグループに比べて2倍覚えていたといいます。
超併読読書術は途中でやめるからいい
ツァイガルニク効果は、途中でやめると記憶に定着しやすくなるというものです。
超併読読書術は、10冊の本すべてを途中の状態にしてあるので、脳が緊張状態にあり記憶に残りやすい状態を保つことができるわけです。
ツァイガルニク効果に従って本の読み方を考えると、本を切り替えるときは1章読み終えたらという読み方よりも、章の真ん中ぐらいで一度本を閉じる読み方の方が記憶に残りやすいということになります。
これは、漫画やドラマでも同じことがいえます。一週間前に観たドラマや漫画の続きを覚えているのも、ストーリーの途中で終わっているからです。
「次回が気になる」という脳の緊張状態が起きて、記憶から抜け落ちにくくなっているわけです。
超併読読書術は実践しやすい
また、成毛さんによると、本当に必要なことは記憶に残るので、読書メモは必要ないとのことです。
これに関して僕は、半分懐疑的です。
もちろん、本を丸写しするようなノートに意味はないですが、要点だけを書くのは記憶を想起させるにためには、いいことだと思います。
僕自身は、ノートをほとんど取りません。理由の一つが面倒くさいからです。ただ、まったく記憶定着のための対策をしていないかというと、それは違います。
僕は、ふせん読書をおすすめします。
気になる箇所や読み直したい箇所に、ポストイットを貼る読書法です。
(ふせんを貼りながら読んでいる本)
ノートに書くと、内容を思い出すときに、その本を引っ張り出すしかないのですが、ふせん読書の場合は本自体にふせんが貼ってあるので、手間がありません。
おすすめのふせんはこれです。文字が透けるので、邪魔になりません。
超併読読書術とふせん読書術で、実践的な読書術を!
<参考文献>