昔から「喧嘩するほど仲がいい」という俗説を聞きます。
この記事を書くに当たって、「喧嘩するほど仲がいい」とGoogleで検索にかけました。すると、
「喧嘩するほど仲がいい 嘘」
というワードが予測検索で出ました。どうやら最近は、この説を懐疑的に受け止める人の方が多いようです。
また、離婚の原因の第一位を調べてみると、男女ともに性格の不一致でした。
性格が合わないことによって喧嘩になり、それが慢性化して離婚に至るということが多いのでしょう。
この事実だけで判断すると「喧嘩するほど仲がいい」は嘘のようにも思えます。
ですが、心理学的に見ると「喧嘩するほど仲がいい」は本当だとも言えるんです。
目次
喧嘩は、ほどほどがいい
毎日、卓袱台をひっくり返すような喧嘩をしている夫婦は、仲直りをするのにかなり厳しい道のりを歩むことになるでしょう。
しかし、ほどほどの喧嘩をしている夫婦は長続きするようです。
アメリカのテキサス大学の心理学者リサ・ネフは、結婚してから半年以内の夫婦61組を対象に、夫婦喧嘩の頻度を2年半に渡り調査しました。
調査の結果、結婚後数ヶ月以内に中程度の喧嘩をし、それを乗り越えた夫婦ほど円満に暮らしているということが分かりました。
これは、喧嘩をして仲直りをするというプロセスを辿ることで、お互いが夫婦喧嘩の乗り越え方を学習したからであるといえます。
喧嘩に対する免疫をつける
一度喧嘩をしたことによって、喧嘩に対する免疫がついたわけです。
たとえば、予防接種というのは病気にかかりにくくするために、あらかじめ弱めのウイルスを注射で体内に接種することによって、感染を防いだり和らげたりするものです。
結婚して40年、奇跡的に一度も喧嘩をしてこなかった夫婦がいたとします。その夫婦が、ふとしたことで喧嘩をします。
お互い喧嘩に対する免疫がないので、関係を修復できずそのまま離婚してしまう。
熟年離婚の中でも、これが原因の夫婦は多いのではないでしょうか。
それまで、夫は仕事が忙しくほとんど家にいなかった。喧嘩するにも喧嘩をする暇もない。定年を期にずっと家にいるようになり、イヤな部分を多く見るようになる。そこで爆発的な喧嘩になる。
あくまで想像の話です。しかし、喧嘩に対する免疫がついていないと、このような結果に陥る夫婦も多いとは思います。
喧嘩=悪ではない
アメリカのベイラー大学の心理学者キース・サンフォードも、734名の既婚者と同棲者を対象にした調査で、
「喧嘩するすることは有益なことである」
という結論を出しています。言うまでもないかもしれませんが、喧嘩と言っても喧嘩しっぱなしというのはよくありません。
喧嘩は仲直りまでのプロセスをきっちり辿ることが重要です。
あくまでも、喧嘩=悪と決め付けず、お互いの主張を言い合ってみる勇気が必要です。
自分の主張と相手の主張
長続きする夫婦というのは、どちらかが妥協するか、どちらも妥協する夫婦であるといえます。
しかし、毎度譲り合っていてもよくありません。堪忍袋の緒が切れるという言葉もあります。
我慢をしすぎるのもよくなので、日頃から自分の主張は言っておくべきです。
あえて、免疫を付けるために、小さな喧嘩をワザとする、というのもいいでしょう。
例えば、豆腐は木綿か絹ごしかで喧嘩をしてみるとか・・・。試してみてください。