フィクションなのにリアリティがある『宇宙兄弟(実写映画)』映画レビュー

フィクションなのにリアリティがある『宇宙兄弟(実写映画)』映画レビュー

冒頭のあらすじ

微妙に近未来な映画です。まず物語は、主人公南波六太とその弟が子供の時から始まります。これが2009年。彼らは、夜の原っぱで謎の飛行物体を見ます。つまりUFOです。UFOを見て、弟の日々人は宇宙飛行士になることを決意します。

時が流れて19年後。日々人は宇宙飛行士になります。対して兄である六太は、自動車メーカーのデザイナーになるのですが、クビになってしまいます。モヤモヤした日々を送っていたある日、JAXAから宇宙飛行士選抜の書類選考通過の通知が送られてきます。

これは、日々人が勝手に出したものでした。初めは試験を受けることを拒んでいた六太ですが、日々人と話すうちに宇宙飛行士を再び目指すことを決意します。

個人的に好きなシーン

物語は、宇宙にいる日々人と地上で試験を受ける六太の場面が交互に出てきます。宇宙の日々人は初めての宇宙にワクワクしていて、地上の六太は必死に試験を通過しようと試験を受けている状態です。

小栗旬が六太を演じているのですが、この役が非常によかったです。笑いの箇所での表情が細かいんです。

例えば、面接で「最近気づいたことはなんですか」と聞かれます。他の受験者はまじめに「本から新しい学びを得ました」みたいなことを答えているのに、六太は、

「シャンプーがよく泡立ちます」

と答えます。これは大爆笑しました。六太は天然パーマで、実際泡立ちやすいんでさらに笑える。ちなみに、なぜ筆者は天然パーマが泡立ちやすいのか知っているのかと言うと、筆者自身も天然パーマだから(笑)

「シャワーから出たがるオス猫(スコティッシュフォールド)」

その他にも、面白いシーンはいくつもありました。真空状態での肺活量の測定試験のときのシーンもよかったです。

椅子に座り酸素マスクを着けるのですが、隣の席の女性が六太のものと取り間違えをしていしまいます。一度装着したものを「すいません」と返すわけです。六太はニヤニヤしながら、それを着けます。

この顔がまたいい。ラッキーとか、ウッヒョーみたいな声が聞こえてくるような表情で。小栗旬の表現のバリエーションの多さが窺えた場面だと思います。

ラストの感動

「手を伸ばせばつかめそうな宮古島の星空(天の川)」

ウィキペディアも軽く見たのですが、ラストシーンは原作とは違うようです。まあ、当たり前と言えば当たり前なのですが、原作はまだ終わっていないので綺麗に終わらせるためにはこういう演出も必要だなと思います。

恐らくラストシーンの一歩前までは、原作をカットしつつ繋げていると思うので、それに関しては、まったく批判材料が見つからないほどによくできていました。

お互いの夢が叶って、二人で宇宙に行くという実際の原作でもありそうなラストでもあったので、これは原作ファンにしても、初見の人にしても納得できる出来なのではないでしょうか。

原作者の想像力の凄さ

「いつもと様子がちがう... ん!?」

なにかの記事で読んだのですが作者の小山宙哉氏は、NASAなどに取材に行ってこの作品を書いたわけでなく、文献から調べられる範囲でこの作品を描いてたそうです。

実際の現場は分かりませんが、資料のみでここまでリアリティのある宇宙飛行士の世界を書けるのかと舌を巻きました。素晴らしすぎます。

人間の想像力は際限ないのだな、と、純粋な、子供の気持ちさえ盛っていれば、こんなにワクワクする作品が描けるのだと感動した次第です。

是非! 観て下さい。

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